[愛知・江南市]“市民の声”に真剣に向き合う議会が増えています! (2017/12/19 マイ広報紙)
この記事は「広報こうなん 平成29年12月号『市民と議会との意見交換会を開催しました(1)』『市民と議会との意見交換会を開催しました(2)』」を紹介し、コメントしたものです。
議会が市民の声を聴く。当たり前のことと思うかもしれませんが、地方議会が組織として市民の声に向き合うようになったのは、それほど昔のことではありません。以前は、市民の声を聴くことは議員個々の仕事と思われていて、それぞれの議員が市民から寄せられた意見や要望を一般質問や議案質疑で取りあげるというのが普通でした。しかし、昨今の地方議会においては、組織として市民の声に真剣に向き合うことが議会改革を進めるうえで不可欠の活動になってきています。
今回は、議会と市民との対話を行っている愛知県江南市「広報こうなん」平成29年12月号の“市民と議会との意見交換会を開催しました(1)(2)”を取りあげます。この記事は、議会が政策提言を行うために実施した「市民と議会との意見交換会」の報告です。ここでは、16個の質問とその回答が掲載されています。質問は運転手の視界を妨げる街路樹やタクシー料金の助成といった生活に身近な問題から、市の財政状況や人口減少社会への対応といった将来を見据えた問題まで非常に多様です。議会が回答できない質問については行政にきちんと伝え、その対応も掲載されています。ホームページからも見ることができますが、広く読まれる広報紙に掲載することは、同じ地域に暮らす住民としての問題意識を共有するという点でとても意義あることだと思います。
いま多くの地方議会で改革が進められています。その背景には、議会が市民から信頼を得られていないということが背景にあります。議会としてその役割をしっかり果たすと同時に、その活動の経過や結果をきっちり市民に伝えていく。一足飛びとはいきませんが、議会が市民の信頼を得る有効な方法のひとつであることは間違いありません。
☆愛知県江南市の観光情報
江南市のイベント、観光スポット、食、宿泊、歴史・文化などを紹介した「江南市観光協会」ホームページはこちらです。
- [筆者]「自治体広報広聴研究所」代表、公共コミュニケーション学会会員、元自治体職員、東京都在住 金井茂樹
- [参考]広報こうなん 平成29年12月号
- 関連記事
- 誰も正解の分からない時代を「対話」で乗り超える
- [埼玉・ふじみ野市]“持続可能なまち”とは?市民がいつでも意見を言えることが大切。
- 塩谷町「町民全員会議」にみる、「学びとコミュニケーション」でつくる地方政治の新手法
- 「対話」のツールとして「まわし読み新聞」を活用し「関係の質」をあげよう!
- [東京・品川区]タウンミーティングから地域課題を発見する!