民泊、1万3千件突破も 1日当たりの届出件数は「大幅減」 初の純減に転じる恐れも (2019/1/23 Airstair)
観光庁はこのほど、2019年1月11日時点の住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出件数と受理件数を公表し、民泊届出件数が13,633件(民泊受理件数:12,525件)に達したことを明らかにした。
保健所設置市及び特別区を含む都道府県別の民泊届出件数では、4,826件(36%)の東京都が最多で次いで2,029件(15%)の北海道、3位に1,861件(14%)の大阪府が続く。
住宅宿泊事業法上の民泊の届出件数は、東京都や北海道、大阪府を中心にその数を着実に増やす一方で、懸念材料も出てきている。
住宅宿泊事業法では、1年間に民泊の営業ができる日数が最大180日までに制限される。日数カウントは4月1日正午から翌年の4月1日正午までの期間が対象となるが、6月15日の同法施行から数えて、12月中旬に上限日数を迎えた※。
懸念材料としてもう一つの挙がっているのは、住宅宿泊事業法の「廃止」の増加だ。観光庁は2018年11月から廃業件数の公表を開始しているが、11月16日時点で196件だった廃業件数は、約3か月後には359件にまで膨れ上がっている。
なお、民泊市場のリサーチ・調査を手掛けるメトロエンジン株式会社が提供する民泊ダッシュボードのメトロデータによると、同法施行前に約56,000件※あった民泊物件のうち約2割にあたる民泊物件でしか届出が進んでいない。
※12月中旬を過ぎても「人を宿泊させた日数」が180日を超えていない場合は、住宅宿泊事業(民泊)の運営を継続することはできる。
1日当たりの届出件数は「大幅減」 初の純減に転じる恐れも
全国的に民泊を解禁する住宅宿泊事業法の施行から半年ー。180日の到達や廃業の増加といった懸念材料が生じる中で、住宅宿泊事業(民泊)の届出申請数の伸び率に陰りが見えはじめてきた。
2018年8月以降1日当たり平均50件の届出があったが、最新データ(2019年1月11日時点)では、1日当たりの届出件数が平均27件までに減少。
1-2月は宿泊業界の閑散期にあたるシーズンにあたり、住宅宿泊事業法上の民泊届出数の伸び率はさらに鈍化する可能性も。このままのペースで新規届出件数が減少すれば、「純減」も見えてきた。
1-3月は、住宅宿泊事業上の民泊にとって「正念場」となるが、このシーズンを乗り越えられるかがカギとなりそうだ。
- 関連記事
- 大阪府、今年6月から宿泊税の対象範囲を拡大へ 特区民泊や住宅宿泊事業に打撃
- 住宅宿泊事業の中身を徹底解剖 6割が民泊管理業者への委託をせず
- 民泊、正念場へ 年間最大営業日数の180日到達で 残り185日は民泊営業できず
- Airbnb、今後掲載を予定する民泊物件を対象に証明書類のアップロードを求める
- 民泊・旅行会社9社、業界団体「住宅宿泊協会」を来年1月設立へ