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挑戦を続ける人は持っている飽くなき探求心 (2017/12/22 瓦版

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50歳でなお再起を目指す中山の原動力とは

ミドル世代受難の平成末期。アラフィフ会社員のモチベーション急降下は著しいが、逆境にめげることなく、地道に前進を続ける50代もいる。J3アスルクラロ沼津で現役としてサッカーを続ける中山雅史もそのひとり。頂点を極め、ケガで一度は“引退”しながらチャレンジを続ける、その原動力はどこにあるのか――。

第14回タニタ健康大賞を受賞したサッカー選手、中山雅史

第14回タニタ健康大賞を受賞したサッカー選手、中山雅史

「まだ現役だったの?」。もしかするとそんな風に思う人も多いかもしれない。2015年に現役復帰を発表した当初こそ注目されたが、以降、所属クラブでの公式戦出場はゼロ。現役プレイヤーとしての存在感はほとんど“ゼロ”だけに、サッカー解説者としての顔の方が一般の認知が圧倒的に上だとしても不思議はない。

バリバリの現役だった30代には、いまだ破られていないJリーグシーズン最多記録の他、当時のJ1通算最多得点、最短ハットトリック記録を達成するなど、まさにストライカーとしての頂点を極めた中山。既に認知度も実績も十分なだけに、現役に固執する姿は、悪くいえば無様にもみえる。

「ボクは膝が悪くなって退いたので、トレーニングでヒザを鍛えるのは難しい。でも、それをどこかでカバーしなければいけない。そこで今はお尻を重点的に鍛えている。膝が悪くてサッカーを諦める人は多いけど、自分がこれを克服できたらそういう人たちの希望にもなるからね」。

“引退”はやり切った感の有無があるかどうかで判断

最初の現役引退時に現役への未練をみせていた中山。膝のケガにより、ベストのプレーができなくなったことでやむなく身を引いたわけだが、現役プレイヤーとしての可能性を捨てたわけではなかった。その意味では現在の修練の日々は、ケガをしても現役復帰の可能性はある。それを後に続く者に証明するための別次元のチャレンジといえる。だからこそあえて、プロとして舞台に立てる環境のある現役にこだわっている。

現役にこだわる理由を熱く語る中山

現役にこだわる理由を熱く語る中山

それにしても無謀だ。サッカー選手にとってひざの故障はつきもの。ましてや50歳。同い年の現役Jリーガー・三浦和良がいるとはいえ、中山は一度は引退しており、続けるモチベーションのキープは並大抵のものではない。「やりたいと思ったら行動する。行動すれば結果が出る。結果がよくなれば前進できる。ちょっとずつでもなりたいことろに近づけば進化するから」と淡々と語る中山。もはや悟りの境地にも近い感覚で、探求者の様にイメージする自分の姿に向かい黙々と突き進んでいる。

もちろん、“引き際”は自覚している。中山は言う。「いまぼくは思うようにやりたいことをやらせてもらえている。でも、いつかは一線を引かなきゃいけない時が来る。その時に“やり切った感”をもっていられるかですね」。最初の引退時に未練タラタラだった中山。だからこそ2度目はやり切る。その判断ができるのは、中山本人だけ。そう考えれば人生100年時代といわれる昨今、「執念深さ」はいつまでも情熱を燃やし続けるための重要ワードといえるかもしれない。

まず、再びJのピッチに立つ。そして得点する。そうなれば、かつて国民に与えたのとは別の意味の感動をもたらし、多くの人に勇気を与えることになる。プレー以外の部分は不変の中山は、いまでも淡々と大きなことをやり遂げそうなムードをまとっている。ミドルの星、という使命は背負っていないだろうが、その背中には、やりがいを失った中高年が注視すべき要素が大量にあふれている。

提供:瓦版

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