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今年は「北」、2018年は“熟”? (2017/12/12 瓦版

2018年トレンド予測の注目テーマはミドル以降の動向

2018年は“熟”に注目! 2017年の今年の漢字は「北」に決まったが、来年は「熟」がキーワードになりそうだ。リクルートホールディングスは2017年12月12日、グループ各事業の「2018年のトレンド予測」を発表。8つの領域の内、半分の4領域で、ミドル・シニアが絡む内容となった。

パート・アルバイト領域の2018年のキワードを「年功助力」とした宇田川氏

パート・アルバイト領域の2018年のキワードを「年功助力」とした宇田川氏

まず、アルバイト・パート領域では、戦略的なシニア雇用が企業の成長を促進するキーとなると予測。その根拠として、ジョブズリサーチセンターセンター長の宇田川邦子氏は次のように解説する。

「人材確保の難易度が上がる中、戦略的にシニアを採用し、活かす企業が出てきている。従来ネックだった体力や新技術への対応も健康フォローやIT活用で解消されつつあり、こうした層を以下に食わず嫌いでなく有効に活用できるかが、企業にとって重要になってくる」。扱いづらいなどの先入観からか、企業はシニア採用を控え気味だが、ベテランならではの年の功は、人手不足のいま、実は非常に人材としても価値があるということだ。

企業戦力として、よりその重要度が増す人材派遣の領域でも「熟」押しだ。リクルートスタッフィングエンゲージメント推進部部長の平田朗子氏は「人生100年時代が叫ばれる中、人手不足を背景に60代を中心とした定年後のパワーは、実は即戦力として通用する。こうした人材を活かす場の創出が今後の日本の働き方を進化させる」と力説。キーワードしてズバリ、「熟戦力」を掲げた。

もう少し下のミドル層に注目するのは、「ケイコとマナブ」ムックシリーズ編集長の乾喜一郎氏。企業内では、年齢構成や組織構造の変化で成長機会を得にくくなっている中で、自ら大学院や資格スクールに通い始めているという。乾氏が明かす。

「彼らが学ぶのは趣味・教養目的でなく、これからも長く活躍し続けるための準備。これまではコストや時間がなく、学びたい講座も少なかったが、今後は制度の充実で、講師武田イモ解消へ向かう」と予測。その根拠として、文科省認定の職業実践力育成ブログラム等の講座が大幅に増加していることに加え、給付金の増加で費用負担が大幅軽減されることなどを挙げた。

活発な上司が職場を活性化する時代へ

マネジメント領域でもミドル層の躍動がキーとなる。リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所所長の古野庸一氏が、キーワードに挙げるのは「ボス充」。「リア充」は、すっかり浸透したボス充とは。古野氏が説明する。

「生活を楽しみ、社外活動が充実しているマネージャーは、会社や社会にいい影響を与え、メンバーからも信頼されています。そのようにボスが充実している状況を『ボス充』と呼びます」。かつてなら仕事中毒くらいの人間がボスたるもの、という時代もあったが、昨今は仕事以外も楽しめる上司でないと若者もついてこないということのようだ。

ミドル層の学びが活性化すると予測する古野氏

ミドル層の学びが活性化すると予測する古野氏

まるで図ったかのようにミドルやシニアの動向をテーマにする領域が目立ったが、時代の潮流を考えれば必然ではある。今年は人生100年時代が叫ばれ始め、ミドル以降は定年という想定ゴールの消滅をいやでも実感せざる得ない1年となった。ミドル以降の層にとっては、例年以上にモヤモヤが蓄積した結果、2018年はいかにそれを吹き払うかがテーマとなるのも無理はない。

人口減で年金受給の見通しが不透明となり、企業は人手不足が深刻化。そうした中で、働き方改革で、長時間労働は是正の方向へシフト。あらゆる状況が、ミドル以降の層を活用する流れへと突き進んでいるようにもみえる。よくも悪くも“熟世代”が腹を決める年。2018年は、そんな潮流が加速しそうだ。

提供:瓦版

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