Mt.Gox、ビットコイン消失事件の真犯人が浮上 ギリシャで逮捕の男 (2017/7/27 ビットコインニュース)
マウントゴックスの大規模ビットコイン消失事件に新展開か。
7月27日未明、午前2時52分、マウントゴックスから消失したとされるビットコインの独自調査機関WizSecが、マーク・カルプレス被告の犯罪を否定する新たな証拠を掴んだと発表した。
真犯人として浮上したのは、26日にギリシャで逮捕されたアレクサンダー・ヴィニクの偽名を名乗る38歳の男。ビットコイン取引所BTC-eの運営者のひとりとして知られる。2011年からBTC-eを通じ、ビットコインを用いた40億ドルの大規模マネーロンダリングを組織的に行ったと米当局、ギリシャ警察の共同声明は述べた。サイバー犯罪の規模としては、最も大きな部類になる。
WizSecの調査によれば、ヴィニクがマウントゴックスからビットコインを盗み取るために同社のホットウォレット秘密鍵を2011年に不正入手。2013年までに紛失額とされるBTCのうち、63万BTCを同社から盗み取った。さらに、同社のホットウォレットに不正アクセスした影響でマウントゴックスのシステムに不具合が出る。その結果、4万BTCの誤差が生じたという。
ビットコインの行方についても、WizSecはすべて詳らかにしている。
まず、多くのBTCはヴィニクの個人ウォレット、およびBTC-eに送信された。BTC-eへの送信は、マネーロンダリングのためだ。BTC-eで換金されたBTCの数量は30万BTCに上るとされ、その他にもマウントゴックスの顧客アカウントを通じて換金された形跡もあるとWizSecは説明する。
その上、BTC-eに送信されたビットコインは顧客ごとに割り当てられるアドレスに対してではなく、BTC-eが内部的に保持しているウォレットアドレスに対して送られている。マウントゴックスからヴィニク、マウントゴックスからBTC-e、ヴィニクからBTC-e。この流れが、ヴィニクとBTC-e、そしてマウントゴックスから消失したビットコインの行方を示しているというのだ。
資産の一部はBTC-eがもつ内部ストレージに直接送信されているように見えます。顧客の預託アドレスではなく、です。これがヴィニクとBTC-eの関係性を示しています。
盗まれたBTC-eのマネーロンダリングは、ヴィニクだけによらない。WizSecは、取引所BitcoinicaとBitfloorからも盗まれたと指摘した。
「ヴィニクはハッカーや盗み出した張本人ではありませんが、大規模なマネーロンダリングを組織立てて行った人物です。彼の逮捕は、彼がそのような容疑に掛けられていたことを示唆しています」と、WizSecはヴィニクの人物像を語る。「f彼は盗み出したコインを格安のコインに換金して渡す代行サービスを行っていたのでしょう」
本件が現在初公判中のカルプレス被告の罪状に影響をあたえるかは今のところ不明だ。マウントゴックスの創設者であるジェド・マケーレブ氏からカルプレス被告に経営権が移管されたのは2011年。秘密鍵が盗まれた時期と重複するからだ。しかしながら、もし計画的犯行がカルプレス被告ではなく別の人物によるものであった場合、カルプレス被告の無罪が証明されることになるだろう。
極めて重要なパズルのピースが嵌ったと考えています。我々は法執行機関があらゆる角度から追求できる材料を、関係する個人すべてを洗い出すための次のステップに取り掛かっています。続報では、マウントゴックスの盗難に関するより詳細な手口について情報を開示する予定です。
ギリシャでヴィニクが逮捕された26日、BTC-eは数日前から操業を停止、200億円弱相当のビットコインが送付された形跡が見られた。コミュニティは大規模な盗難かと一時疑ったが、逮捕のニュースで当局による差し押さえの説も浮上している。
MTGOXのビットコイン消失事件の真犯人は昨日ギリシャで逮捕。やっとこの事件の事実が解明されます。
— Mark Karpeles (@MagicalTux) 2017年7月26日
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