働き方改革の難関、イクメンと介護 (2017/4/28 瓦版)
働き方改革はどこへ向かい、何をもたらすのか
なかなか進展しない男性の育児参加と介護の問題
働き方改革が着実に前進する中、なかなか進展しない問題がある。男性の育児参加と介護離職の問題だ。
男性の育児は進む気配があるものの、いまだ根強い男性社会の名残りと女性自身の意識の問題で一進一退の感はぬぐえない。介護離職は、制度は整備されつつあるが、介護という性質上、終わりが見えない難しさがあり、そもそも両立が困難だ。
子育てで休業する女性に冷ややかな視線を送っていた男性が、自分が子育ての側に回ることに抵抗があるのも無理はないかもしれない。とはいえ、この壁を乗り越えなければ、真の男女平等は50年先も実現しないだろう。
もっとも、この問題で壁になる「帰りにくさ」は、在宅勤務を活用することで根本的になくすことも可能だ。職場を自宅とするのだから、もちろん通勤はない。子供の世話をしながら、自宅で仕事をしてしまえば、問題は解決する。介護離職も同様だ。
なぜ仕事と介護の両立&育メンは困難なのか
これで一件落着。そう簡単にはいかないだろうが、テレワーク容認企業は順調に拡大しており、男性の子育て参加のリハビリとして活用するなど、有効活用することで、道は開けていきそうだ。
介護にせよ子育てにせよ、「誰かがやらなければいけない」大事な問題。ある意味では、働くということ以上に重いものといえる。働き方よりも生き方という視点の方がしっくりくるテーマかもしれない。それゆえに、簡単には答えが出せず、進展が遅々として進まないのかもしれない…。
もっとも、避けて通れない問題であることも事実。せめてもの対策として、就職するにあたって、ライフプランを設計し、子育て、介護に直面した時どうするのか、を事前に決めておくことは、それなりに有効といえるかもしれない。
この2つの問題と働き方改革を絡めるとき、「何のために働くのか」と行き着く人も少ないないだろう。「子どものため?」、「親のため?」。肉親のために仕事をセーブすることを拒絶する自分がいたとき、仕事とはそこまで重要なことなのかと混乱したとしても何らおかしくはない。こうしたことが、この2つの問題を難しくする根っこの部分にあるのかもしれない。(続く)
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