ドコモのドローンプロジェクトが本格始動！ドローンを活用した買い物代行サービスの実証実験を開始 （2016/10/20 DRONE BORG）
株式会社NTTドコモとMIKAWAYA21株式会社、そして株式会社エンルートが、携帯電話のLTEネットワークを利用するドローン（セルラードローン）を活用した、買い物代行サービスの実証実験を福岡市内の離島にて開始することを発表しました。
本サービスの内容としては、離島に住んでいるお年寄りや、子育て世帯に対し、電話にて依頼を受けた商品を、セルラードローンを利用して注文者のご自宅まで配達するというものです。空中で携帯電話のネットワークを利用するためには、実用化試験局の許可が必要とされていますが、NTTドコモは神奈川県と千葉県、福岡県の一部で、この免許を取得しています。実証実験は本サービスの実現性、および上空のドローン周辺の通信品質や地上の携帯電話ネットワークへの影響等を検証するもので、2016年11月から開始される予定です。
また、商品化については、法整備や安全性などの課題はありますが、2018年度を目標としています。セルラードローンの開発についてはエンルートが行い、ドローンに搭載される携帯電話やネットワークはドコモが担当、サービス向上や課題の抽出に関してはMIKAWAYA21が担当する予定です。
本サービスの工程としては、まず離島から電話で注文を受けたら、九州本島内の商店で商品を準備し、セルラードローンに積載します。そしてオペレーションセンターから、荷物を積載したセルラードローンに対して遠隔で飛行の指示をして、島内の中堅拠点まで約2.5キロ空輸します。中継地点に到着したら、別のセルラードローンに積み替え、そこから注文者の自宅に届けます。ドローンの離着陸に関しては、専用のコントローラーを用いて手動で行い、ホバリング後、事前に設定した目的地まで自動飛行をします。
本サービスの特徴としては、LTE方式の携帯電話ネットワークにつなげることで、Wi-Fiが届かない距離でも遠隔操縦ができる点にあります。
現在様々な業界で利用されているドローンのほとんどは、Wi-Fiなどを利用して地上と無線通信しているため、ドローンが有効範囲を出てしまうと、制御や監視が非常にやりづらくなってしまいます。しかし、本サービスで活用されているようなセルラードローンは、搭載されているスマートフォンを通じて、全国をカバーする携帯電話のLTEネットワークに接続されるため、前述したWi-Fiを利用しているドローンと違って、飛行距離の制約が少なくなります。例えばドローンが操縦している人の視界の外へ飛行してしまったとしても、ドローンに搭載されているカメラが撮影する映像を、操縦者が地上でリアルタイムで確認したり位置情報を把握しながら、飛行を続けることができます。
ドコモは自社のモバイル技術とドローンを融合させた「ドコモ・ドローンプロジェクト」を10月より本格的に始動しており、買い物代行のほかに防災や農業、物流などのあらゆる分野で、ドローンを活用した多様なソリューションの提供、社会的課題の解決を目標としています。ドコモの吉澤和弘社長も、「セルラードローンなら、従来のドローンでは届かなかった距離から、映像伝送や機体のデータなどをリアルタイムに届けられ、遠隔制御も可能になる」と話しています。
セルラードローンについては、以下の動画からご確認いただけます。
株式会社CLUEがセルラードローン用デバイスを開発
株式会社CLUEでは様々なメーカーのドローンに搭載できるIoTデバイスを開発しています。このIoTデバイスを搭載すると一般に流通しているドローンをセルラードローンに進化させることができます。
また、IoTデバイスを搭載したドローンとリアルタイムに通信を行い、遠隔操作やデータ収集が可能なクラウド上の商業用リモートコントロールシステムの開発も行っており、サードパーティー向けの開発プラットフォームも公開予定です。
現在CLUEでは同プロダクトの開発体制を強化するためにエンジニアの採用を拡大しています。
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