ジョン・マカフィー氏率いるMGTキャピタルが水力発電ビットコインマイニング事業を開始 (2016/7/6 ビットコインニュース)
MGT Capital Investments はポートフォリオの多様化を進めるさせるため、アメリカのワシントン州に低コストの水力発電で動くマイニング施設を建設すると発表した。施設は8月にはフル稼働でマイニングを始める予定で10 PetaHash を目標値としアメリカ国内でトップクラスのマイニング施設を目指す。
John Mcafee氏はMGT CapitalのCEOでコンピューターセキュリティのパイオニアとして知られている。MGTは最近、ビットコイン有識者のErik VoortheesとRoger Verを会社に迎え入れビットコインビジネスに力を入れているのがわかる。
マイニングで利益を得るには二つの条件があり、一つは低価格での電気の供給の確保でもう一つは高性能のマイニングをするためのハードが必要になる。MGTは16ナノメーター ASIC チップを使ってマイニングを行う予定で、現在テストを行っている段階で、採算の見通しは立っているようだ。
またMGTはブロックチェーンを使ったサイバー・セキュリティ事業にも関心があり、そのマイニング施設のコンピューター使ったオンライン取引の管理会社として機能させる代替えプランもある。
Mcafee氏はマイニング事業参入についてこう述べている。
「我々の会社の基本戦略はコストパフォーマンスの最大化であり、マイニング事業参入は最適な選択である。また注目が集まるブロックチェーン技術を使ったプロジェクトにも大量のASICチップを搭載したコンピューターが必要になり、今回の投資は将来的な利益に必ずつながると確信している」
今回のMGTの動きはマイナーの中国一極集中化を変える事が出来るかもしれない。
ハッシュレート値を調べると全体の約50%が3つのマイニングプールからビットコインが発掘され、その全てが中国にある。ハッシュレート値はビットコインが新たなソフトウェアを受け入れるか否かの投票ができる上限が決まるので、事実上の権力の集中につながる。ビットコイン有識者の間ではこの中国の一極化が中国の発言権を強め、非中央集権のコンセプトが崩れ中央集権化するのではないかと危惧している。
米コーネル大学のビットコインの研究をしているEmin Gun Sirer教授は中国に対してこう述べている。
「投票権の一極集中はいい傾向ではない。ビットコインの非中央集権的思想のコンセプトを守りたいのであればこの事に危機感を覚えなければならない」
中国でマイニングがポピュラーな理由はまず労働賃金が安く抑えられ、なおかつ電気料金も他の先進国と比べると格段に安く収益性が見込めるからである。また中国人がビットコインの初期段階からマイニング市場に参加していたのは、政府による投資の制限がありビットコインのような政府の介入がしづらいインターネット通貨だからこそ投資先として中国人に選ばれてきた。他の理由としては、ビットコイントレードのボラティリティの高さから中国人のギャンブル好きの間で人気を博し世間に広がっていった。
ビットコイン関連会社BTCC・CEOのBobby Lee氏は中国人のビットコイン投資家のついてこう表現している。
「中国人がビットコインに投資を行っている理由はリベラルや非中央集権的な反政府思想を持っておらず、単なる投資の一つに過ぎない」
Bitcoin coreの開発チームはたびたび中国を訪れては、マイニングプールを運営するBitmainのJihun Woo氏らと新しいソフトウェアのリリースなどについて協議してる。Jihun氏は中国のビットコイン業界においてもっとも影響力のある人物の一人で、Bitmainはマイニングプールの運営とマイニングに使うコンピューターチップの販売をしている。Jihun氏によると、ほとんどのマイナー達は新しいソフトウェアの導入に反対しており、リスクがあるソフトウェアアップデートによる改善は望んでいないという。また長期的な視点からのビットコインの成長よりも今ある利益確保を優先している。
しかしJihun氏によると30%から40%のマイニングチップは中国国外に発送されており、この先マイニングの中国からの分散化が進む可能性があると分析している。今回のMGTの様な新しくマイニング施設を建設する動きはビットコインの基本コンセプトである非中央集権思想を反映するのに重要な役割を担っている。
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