スウェーデン政府、不動産・土地登記におけるスマートコントラクトの適用実験を開始 (2016/6/17 ビットコインニュース)
スウェーデン政府が、土地や不動産の登記情報の管理にむけたブロックチェーンの検証を開始したことが明らかになった。
スウェーデン政府によれば、ブロックチェーン・スタートアップのクローマウェイ(ChromaWay)、コンサル会社のカイロス・フューチャー(Kairos Future)、電気通信業者のテリア(Telia)が実験に参加する。実験においては、土地の登記プロセスにおけるドキュメント管理の改善と、人的エラーの削減を主眼に置き、ブロックチェーンを用いることでどの程度の改善が見られるかを検証する計画となっている。
声明において政府は、紙の契約書に手書きで署名し、あるいはデジタルで作成した契約書を印刷し、押印し、再度スキャンし、それをメール等で転送する作業の非効率さを指摘。これを、ブロックチェーンとスマートコントラクトによるセキュアな転送手段を用いることで、登記プロセスを簡素化することができるという。
スウェーデン土地登記所・不動産開発部門ヘッドのマット・スネイル氏は次のように述べた。
「譲渡資産書類のデジタル化を実現する優れたテクノロジーは、不動産取引において最高のセキュリティですべての利害関係者による確認を容易にします。未登記の権利証を譲渡可能になると、すべての利害関係者に価値があります。この恩恵は誰もが受けられるのです。」
本実験でブロックチェーンの開発を受け持つChromaWayは、POCのためにスマートコントラクトを用いた身分証明システムも開発した。これには、テリアの技術が用いられている。デモアプリではビットコイン、イーサリアム、あるいはプライベート環境でスマートコントラクトを稼働させることができるようになる。
声明によれば、本プロジェクトは既にストックホルムのLandshypotek銀行から追加の資金調達を受けることが決定しており、他の銀行や不動産会社との話し合いも進めているのとことだ。
「ブロックチェーンは電子署名を保持するためのテクノロジーであり、電子署名によってドキュメントや規定、発注依頼が正しく、認証されたものであるかを検証することを可能とします。署名はドキュメント毎、登記申請毎、プロセス毎に一意であり、従って生体認証に近いものだと言えます。」ChromaWayのヘンリク・ハイジェルトCEOは声明の中で述べた。「我々が長い間、注目し続けてきた技術を不動産取引で応用できることを誇りに思っています。」
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