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地方創生の重要政策!地域再生法改正案には何が書かれている? (2016/5/12 nezas)

関連ワード : 地方創生 安倍内閣 法律 

国会議事堂

もう待ったなし!? 地域再生法改正案の内容

 少子化、都市への一極集中などを背景に、地方の疲弊が止まりません。こうした状況を背景に、政府は2016年2月5日、地方創生を推進するための「地域再生法改正案」を閣議決定しました。

 かねてから政府は、内閣府を中心に地方公共団体が行う自主的・自立的な取り組み(地域再生計画)を支援してきました。地域再生計画とは、地域が主体となって地域の再生計画を練り、その内容を国が認定すれば、各種の交付金や利子補給、農地転用の緩和、雇用創造支援を提供するというもので、すでに約2,000件の計画が認定されています。今回の改正案は、その内容を補完・強化するものです。

 大きなテーマは、「地方創生推進交付金」と、「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」、「生涯活躍のまち」制度の3つです。

 一つめは「地方創生推進交付金」です。これは、地方公共団体の自主的・主体的な取り組みのなかで、先導的なものを支援するための交付金です。28年度からの地方創生を、より一層深化させるための新型交付金として創設されました。地域独自のニーズに基づいた人材育成・人材確保の取り組みや、地場産品の安定的な販路開拓・拡大に取り組み、地域のブランド化を行うなど、地域活性化のための先駆的な取り組みを後押ししています。そして、地域への新しい人の流れをつくり、活性化や安定雇用を目指しています。

 二つめは「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」です。これまでふるさと納税といえば、原則的に個人対象の制度でした。もちろん企業からの寄付も可能ではありましたが、個人に比べて控除額が少ないものでした。本改正案により、「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」が創設されたことで、地方公共団体の地方創生プロジェクトへの企業寄付の税金控除が増額となりました。上限や条件はあるもののこれまで以上に企業が取り入れやすいものとなっています。

 三つめは「生涯活躍のまち」を推進し、中高齢者へのサポートに力を入れています。第二の人生として新たな暮らしを求め都市から地方へ移住したい、と考えている中高齢者はまだまだ多い現状です。そんな彼らの希望に応じた住み替え支援や、必要に応じて医療・介護を受けられる体制の確保などを整え、全員がアクティブな生活を送れる、生涯活躍できるような体制を目指しています。

改正案によりなにが、どう変わるのか

 従来の地域再生法は、各地方の農山林事業の活性化、企業誘致、雇用創出などを主眼に置いたものでした。その成果はある程度達成されつつあるといえます。

 今回の改正の力点は上記の3点です。改正に必要なものは上述した取り組みの他にも、快適な生活環境の確立、さらに都市と農山村の交流を促進するための交通網やITネットワークの整備、宿泊設備の拡充など、多岐にわたります。

 個々のテーマの達成は、決して容易ではありません。たとえば地域活性化の取り組みの一つである、地産地消を目指した「6次産業化支援」を例にしましょう。6次産業化とは原材料供給者である1次産業従事者が、自ら加工(2次産業)・流通や販売 (3次産業)に取り組み、多様化をすすめることです。今までの産業に新たな付加価を創出するためには生産者支援だけでなく、加工や販売力の強化、そのための工場新設や流通網の整備など、やるべき課題は山積みです。

 そうした課題を解決するためには、あくまで地域住民、自治体、地元の金融機関などが主体となって、明確なリーダーシップのもと、有機的な組織を作ることが重要となります。

 成功の要因は決して外からのお仕着せではなく、地元の創意と熱意があったからこそといえます。どう効率的に、かつ正しく、人と予算を集中・配分できるかが鍵となるでしょう。

提供:nezas

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