「一票の格差」是正に向け総務省勧告、衆院区割り97選挙区で変更へ  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップ    >   記事    >   「一票の格差」是正に向け総務省勧告、衆院区割り97選挙区で変更へ

[用語解説]一票の格差、区割り

「一票の格差」是正に向け総務省勧告、衆院区割り97選挙区で変更へ (2017/4/20 政治山)

関連ワード : 一票の格差 用語解説 衆院選 

 総務省は4月19日、衆議院選挙区の「一票の格差是正」に向けた勧告を行いました。公表された「衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定案についての勧告」の概要は以下の通り。

1.都道府県別定数の異動

6県(いずれも定数1減)
青森県(4→3)、岩手県(4→3)、三重県(5→4)、奈良県(4→3)、熊本県(5→4)、鹿児島県(5→4)

2.今回の改定案で変更される選挙区の数

19都道府県97選挙区(改定後:19都道府県91選挙区)

3.人口最少選挙区との較差が2倍以上となる選挙区の数

0選挙区(現行32選挙区)

4.最大人口較差

1.956倍(現行2.176倍)
最大:神奈川16区 554,516人
最小:鳥取2区 283,502人

5.都道府県間の議員1人当たり人口の較差

1.844倍(現行と同じ)
最大:東京都 525,468人
最小:鳥取県 285,029人

 今回の改定案では、分割市区町の総数は105で、現行の88から17増えることとなります。選挙区割りは候補者にとっては当落を左右することもあり、有権者にとっては自治体内や生活圏で選挙区が異なるという事態を招きます。この勧告を受けて5月には国会に公職選挙法改正案が提出される見通しで、各地に波紋が広がっています。

今回の改定案で変更される選挙区

総務省ホームページより(クリックすると拡大されます)

※参考 今回の改定案における分割市区

(1)分割が解消される市町の数 9市町
青森県:青森市、岩手県盛岡市、三重県津市、熊本県熊本市中央区・西区・南区・北区、同県上益城郡山都町、鹿児島県:南九州市

(2)新たに分割される市区の数26市区
北海道札幌市北区・西区、宮城県仙台市太白区、埼玉県さいたま市見沼区、同県川口市・越谷市、東京都港区・新宿区・台東区・品川区・目黒区・中野区・杉並区・豊島区・板橋区・東京都八王子市・多摩市・稲城市、神奈川県横浜市都筑区、同県川崎市宮前区、同県座間市、愛知県瀬戸市、兵庫県西宮市・川西市、福岡県福岡市南区・城南区

(3)分割の区域が変更される市区の数10市区
千葉県船橋市、東京都大田区・世田谷区・足立区・江戸川区、神奈川県川崎市中原区、同県相模原市南区、三重県四日市市、愛媛県松山市、鹿児島県鹿児島市

関連記事
わたしの1票の価値は?一票の格差とは
7月参院選は「違憲状態」か?一票の格差問題は是正されるのか?
広すぎて回り切れない合区、ネット選挙浸透する?―鳥取・島根選挙区
国会後半戦、関心事は「森友」と「共謀罪」
「デジタル・ゲリマンダー」SNSによる選挙介入の実態
関連ワード : 一票の格差 用語解説 衆院選