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[用語解説]出直し選挙、任期

美濃加茂市の出直し市長選、当選人によって任期がかわる (2017/1/24 政治山)

 藤井浩人前市長(32)の辞職に伴う岐阜県美濃加茂市の出直し市長選が22日告示され、新人で市民団体代表の鈴木勲氏(72)と、再選を目指す藤井氏の無所属2人が立候補しました。

 出直し選挙とは、都道府県知事や市区町村長が任期中に辞職し、その辞職によって実施される選挙に、辞職した当人が再度立候補する選挙のことを指します。

なぜ出直し市長選が行われることに?

 2013年の市長選で初当選した藤井前市長は、市議時代に業者から現金を受け取ったとして受託収賄罪などに問われ逮捕、起訴されました。1審では無罪判決だったものの、昨年11月の控訴審では逆転有罪、現在上告中です。

 藤井前市長は控訴審判決を受けて、「『不当な判決と戦いながら、市長職を続けること』を、市民の皆さまに信任いただけるのかを問う選挙を行いたい」(藤井氏twitter @Hiroto_Minokamo 2016年12月7日)として辞職を決意、出直し選への出馬を表明しました。

出直し選挙では、当選人によって任期がかわる

 藤井前市長の任期は、2013年6月2日から2017年6月1日の4年間の予定でした。通常であれば、次の美濃加茂市長選は任期が終わる今年6月1日の前30日以内に行われます。しかし今回は、藤井前市長が任期途中の2016年12月19日付で辞職したため、2017年1月29日に市長選が行われることになりました。

 今回の市長選には藤井前市長と新人の鈴木氏が立候補しましたが、出直し選挙ではどちらの候補が当選するかによって次の任期が変わります。
藤井前市長が再選した場合……辞職する前と同じ任期満了日(2017年6月1日まで)
鈴木候補が初当選した場合……選挙で当選した日から4年間(2017年1月29日から2021年1月28日まで)

出直し市長選における任期の違い

 出直し選挙を定めた公職選挙法第259の2は、以下の理由から任期を制限しています。
首長が自らの選挙に都合の良い時に辞職することを防ぐ
法定の任期を全うすること

 また、今回の出直し市長選で藤井前市長が当選した場合、6月1日までに再び任期満了に伴う市長選が実施されます。仮に藤井氏の有罪が最高裁で確定すると、藤井氏は公民権を停止され失職し、執行猶予中は選挙に立候補できなくなります。

首長の資質を問う選挙と、政策の是非を問う選挙

 熊本県荒尾市でも、1月29日告示、2月5日投票の日程で出直し市長選が行われます。こちらは、市民病院の建設をめぐり市議会と対立していた市長が辞職。病院建設問題について市民の信を問うとして出直し市長選に立候補する意向です。

 出直し選挙にはその性質から、荒尾市のように政策の是非を問うものと、美濃加茂市のように首長の資質を問うものとに分けられるといえます。

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