出口の見えない豊洲移転、大田市場への移転はあるのか―岡高志区議 (2016/9/30 政治山)
9月28日から始まった東京都議会では、築地市場の豊洲移転についての議論が注目を集めていますが、29日には都の調査で地下水から環境基準値を上回るベンゼンとヒ素が検出されたことが判明するなど、事態は混迷を極めています。
東京の台所として安全が確保できない場合、豊洲以外への移転という可能性もゼロではありません。その際の候補地として名前の挙がっている大田市場ですが、どのようなところなのでしょうか。かねてから大田市場への移転に言及している岡高志 大田区議会議員にご寄稿いただきました。
築地市場の大田市場移転の可能性を探りに・・・
先日の記事で、築地市場は大田区に移転したらどうなんだ?などと言ってますので、あらためて9月26日に、大田市場の視察に行ってまいりました。
大田市場は大きいです。
一緒に行ったメンバーもいたく感動しておりました。まさに、百聞は一見に如かず。
大田市場は大きすぎるので、全体像を写真で表現できないので、いただいたパンフレットを下記引用。
正門を入って、青果棟の中へと向かいます。
セリの時間に合わせた早朝の視察です。
人の動いてない市場に行ったって意味ないですもん。
メロン
様々な等級のメロンを大卸さんが、仲卸さんらの顔色を窺いつつ、値付けしていきます。
青果棟を出て、“関連棟”を抜けて、水産棟へ。
“関連棟”は、市場関係者向けの飲食店・物販店が並びます。少し移動してもらって、水産棟の拡張用地にできそうです。
水産棟は、築地に比べると静か。
なんせ、日量300トンの取引量がありながら、1割程度しか使われてません。
水産の仲卸部門。
当然、空きもあります。
おおたの朝獲れ鮮魚といったパッケージもありまして、大田の水産市場の活性化にも取り組まれています。
仲卸さんとお話ししましたが、
築地市場の大田市場への移転統合は好意的に受け止められていました。
市場会館という名のビジネスホテル跡。
数年前に閉鎖しまして、利用法が検討されています。もちろん、宿泊需要はありません。
平成元年オープンの施設ですから、ちょっとバブルな要素もありますよね。
大田市場の場内のみならず、埋立地内は、東京都が地主となる様々な倉庫が立地します。
地主である東京都ならば、市場の拡張用地も確保できるのではないかとの期待も持つことができます。
それじゃあ、豊洲に作った新市場はどうなるの?
区役所でも、区民ホールでも、NPOの活動拠点でも、可能性はあるでしょう。
食品を扱う市場でなければ、ガス工場跡地だからといっても、制約は少ないでしょう。
せっかく、ゆりかもめの駅も近いのですから。
築地市場移転問題をめぐる議論は、都議会内外で活発です。改革を唱える小池百合子知事ですから、しがらみのない立場で、中央卸売市場全体の再編にも踏み込んでみてはと期待します。
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