小沢氏が提唱する「オリーブの木」は実を結ぶのか (2015/12/4 政治山)
生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表がラジオ番組に出演したり、民主党や維新の党に所属する側近議員のパーティーに出席したりして、持論である「オリーブの木」構想を盛んに提唱しているそうです。
「オリーブの木」は小沢氏が3年前に民主党を飛び出して結成した「国民の生活が第一」のころから唱えている構想で、野党が統一名簿で選挙に臨み、政権与党に対抗しよういう緩やかな連合を呼びかけています。単なる選挙協力や選挙区調整とは異なり、選挙時の届け出政党を既存政党とは別に設立し、そこに各党の候補者が個人として参加します。来夏の参院選で選挙区・比例区とも野党が共に戦うことで、数字の上では1人区はほぼ全勝し、比例区と合わせてかなりの議席を取ることができるというものです。
民主党など野党は冷ややか
民主党の岡田代表は野党の選挙協力には前向きな一方で、同構想に対しては「なかなか分かりにくい話だ」と冷ややかです。政党の“ビルド&スクラップ”を繰り返してきた小沢氏に対する求心力は広がらず、野党はまとまりがつかない状態が続きます。
維新の党が分裂したのも影に小沢氏の存在があるとささやかれています。分裂前、11月1日に行われるはずだった代表選では、8月末までに党費2000円を納めた人には国会議員と同じ「1人1票」を与えるとして党員を募集しました。松野代表ら執行部側が党員名簿の返還を求めた訴状では、党員数は9月4日時点で5万2696人。このうち、8月中に新規入党した党員は4万3561人で、大阪系国会議員らが集めた党員は2913人にとどまるとのこと。この大量動員は、維新内の小沢氏側近議員が集め執行部を仕切る狙いがあったと言われ、維新分裂の引き金になったと噂されています。「破壊の陰に小沢氏あり」として野党幹部が警戒するのも、こうした話が常に付きまとうからです。
その維新の党も、代表選が行われている最中に、年内で解党し民主党と合流する話が出ていますが、「オリーブの木」構想は一顧だにされていません。
細川連立政権と同じ歴史を繰り返す!?
本家「オリーブの木」は1995年、イタリアにできた中道左派の政党連合で「平和の象徴で、丈夫で実がなる」として名付けられました。1996年には議会最大勢力に躍進しましたが、相次ぐ内紛や人材不足などで劣勢となり、離合集散を繰り返しました。日本でも7党1会派で構成された細川連立政権という似たような試みは行われており、この時も小沢氏は新生党代表幹事として中心的役割を果たしました。
- 関連記事
- 選挙での「与野党相乗り支援はおかしい」が6割超
- 年末恒例、野党ガラガラポンの季節です
- 維新の党分裂 東西で「昨日の友は今日の敵」状態
- 次世代の党……党名に悩みつづける悪戦苦“党”の歴史
- 参院選、合区導入で一票の格差是正へ