国勢調査、36.9%がネットで回答 (2015/11/26 フリーライター 上村吉弘)
総務省は5年に1度の国勢調査を9月から10月にかけて行いましたが、今回初めて全世帯を対象にオンライン調査を9月10日から20日にかけて実施、紙の調査票による調査に先行して回答を集計しました。
スマホからの回答は12.8%
この期間中のインターネット回答数は、19,175,769件となっており、前回の国勢調査の世帯数を基に試算すると、インターネット回答率は36.9%となります。このうち、スマートフォンから回答のあった割合は、12.8%となっており、インターネットで回答した世帯の3世帯に1世帯は、スマートフォンからの回答となっています。
滋賀県は半数近くがネットで回答、東京都は回答率そのものが低い?
また、都道府県別のインターネット回答率を見ると、滋賀県の48.4%が最も高く、次いで富山県、岐阜県、愛知県、奈良県など、17の県において4割を超えています。うちスマートフォンでの回答は滋賀県、岐阜県、愛知県が16%台、群馬県、静岡県、広島県が15%台と高い利用を示しています。
逆に低いのは、沖縄県、高知県、東京都、鹿児島県の順で、いずれも20%台となっています。東京都などのインターネット回答数が低いのは、世帯数の変動や、回答率そのものが低い可能性があるため、一概に都道府県のITリテラシーやITインフラの差を示すとは言えないでしょう。
ネット回答は行政スリム化に貢献
記者もインターネットで回答しましたが、ものの5分とかからずに終わりました。紙もペンも必要がなく、回答結果はデータベースにそのままカウントされるでしょうから、人件費もかなりコストカットできると思われます。行政スリム化ひいては税金のムダ撲滅のためにも、こうした統計調査のIT化と、それに協力する国民の理解がますます進んでほしいと思います。
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- <著者>
上村 吉弘(うえむら よしひろ) フリーライター
1972年生まれ。読売新聞記者、国会議員公設秘書の経験を活かし、永田町の実態を伝えるとともに、政治への関心を高める活動を行っている。
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