[用語解説]不信任決議、議会解散
大衡村、跡部村長が議会を解散―不信任決議を受けて (2015/3/19 政治山)
職員へのセクハラ・パワハラ疑惑が浮上している宮城県大衡村の跡部(あとべ)昌洋村長(66歳)は17日、村議会による不信任決議を受けて議会を解散しました。この「不信任決議」と「議会の解散」というのはどのような仕組みなのでしょうか。
議会解散権と不信任決議権、首長と議会の関係とは
不信任決議、議会の解散という制度の前に確認しておきたいのが、「地方自治体の首長と議会とは全く異なる機関である」ということです。首長は行政権のトップであり、議会は立法権を行使する機関なので、三権分立の原則に沿ってそれぞれ独立を保った関係にあります。首長と議会はどちらも選挙によって選出され、相互にけん制し合うことにより地方自治の適正な運営を期することとされています。
「首長と議会は独立している」と述べましたが、実際の業務では深く関係しています。特に首長の議会に対する影響力は大きく、その一つに「拒否権」があります。議会が議論の末に導いた条例案などの結論を、首長は拒否することができます。
首長への「不信任決議」は、議会の持つ強力な対抗手段!
このような強大な権力を持つ首長に対して、議会は最大かつ最終的な対抗手段として「不信任決議権」を与えられています。
具体的には、「総議員のうち3分の2以上の議員が出席した上で、4分の3以上の同意」という厳しい条件がそろえば、不信任決議を行うことができ、首長に辞職か議会の解散を迫ることができます。
不信任決議を受けた首長は、自ら職を辞するか議会を解散させるか選ぶわけですが、今回、跡部村長は不信任決議を受け(村議会議員14人中12人の賛成)、議会の解散を選択しました。なお、解散・議会選後に再び不信任決議が成立した場合も、首長は失職します。
この時期の解散は4月から始まる新年度予算の成立などの政治機能がストップすることになります。当然首長はいつでも議会の解散を行うことができるわけではなく、今回のように自身への不信任決議が可決した場合にのみ行使することが認められます。
(注)跡部村長は議会を解散した後、19日に村議会事務局に辞表を提出しました。
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