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ネット選挙Q&A 事業者編

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ネット選挙Q&Aネット選挙が解禁されると、有権者や政党・候補者は、ウェブ関連会社やインターネット接続事業者などが提供するサービスを利用して選挙運動を行うことになります。ネット事業者は、そこで起こるトラブルや問い合わせに、どう対応したらよいのでしょうか? 目前に迫った「ネット選挙解禁」への準備はできていますか? 解禁されたら、対応を迫られるケースや手続きなどをまとめました。

›› 選挙用語の基礎知識
ネット選挙に関するご質問
Qそもそも『ネット選挙解禁』ってなんですか?
Qなんのために『解禁』するんですか?
Qいつから『解禁』されるんですか?
Q具体的には、どのようなことができるようになるんですか?
Q選挙期間中に受信を希望しない『メール』がきた場合は?
Q政党・候補者以外はメール配信が制限されていますが、Twitter等のダイレクトメッセージも使えないのですか?
Q公示・告示日よりも前に、ネットを使った選挙運動は行えますか?
Qネットを使って『落選運動*』はしてもよいのですか?
Q選挙運動のための有料広告をインターネットに出すことはできますか?
Q当選や落選の挨拶をインターネット上で行うことはできますか?
メール利用に関するご質問
Q受信した選挙運動用メールを印刷したり、それを配布したりできますか?
Q支援者名簿のメールアドレス宛に選挙運動用メールを送っていいですか?
Q受信者の『承諾』の履歴を残す必要はありますか?
Q選挙運動用メールの配信業務を事業者に依頼すると買収になりますか?
Q選挙運動と見做されるWEBサイトのURLを、メールに貼り付けて送付することはできますか?
動画利用に関するご質問
QYouTubeなど動画配信サービスに選挙運動動画を配信することはできますか?
Qプロジェクター(映写機)を使った選挙活動ができるようになりましたが、オンライン講演も可能ですか?
Qプロジェクターの屋外での利用は可能でしょうか?
プロバイダ責任制限法の特例と削除依頼に関するご質問
Qネット選挙解禁でプロバイダはどのような影響を受けますか?
Qプロバイダ責任制限法の特例ってなんですか?
Qウェブサイトや掲示板などに不適切な情報が掲載されている場合、どこに削除依頼したらいいですか?
Q削除の申し立てから実際に削除されるまで、どのような手続きが必要ですか??

選挙用語の基礎知識

●『選挙運動』と『政治活動』の違い

 『選挙運動』とは、(1)選挙を特定し、(2)候補者を特定し、(3)投票を依頼する行為を指します。この『選挙運動』は選挙期間中に限って行うことができますが、未成年者や一部の公務員は行うことができません。
 一方『政治活動』とは、政治的な目的をもって政策を主張したり支持を訴えるあらゆる活動から選挙運動を除いたものを指します。日々の活動報告から冠婚葬祭まで、公人としての言動は全て政治活動に当たります。
 政治活動であれば、これまでもインターネットを用いることができたため、選挙直前までホームページやブログを更新しメールも配信していた候補(予定)者が、選挙期間になると一切更新も配信もできない、という現象が起きていました。

●『選挙期間』と『事前運動』

 『選挙期間』とは、選挙の公示または告示日から投開票日前日までの期間を指します。選挙期間以外は選挙運動を行うことができず、『事前運動』として禁じられています。ただし、選挙区の情勢を調査したり、政党や団体に公認・推薦の依頼を行うなど、立候補の準備行為は認められています。

●『文書図画(ぶんしょとが)』と『選挙公営』

 選挙運動として、政党または候補者が有権者に対して政策や支持を訴える手法は公職選挙法に定められており、その一つがビラや葉書、ポスターなど『文書図画』の頒布または掲示です。同法では、文書図画の記載事項など細かな様式から配布枚数、掲示場所まで指定されており、今回の改正では、ホームページやブログ、ソーシャルメディアやメールなども『文書図画』の一種であるという解釈のもとインターネットの利用が認められることとなりました。
 なお、資金力の違いが選挙の公平性を損なうことがないように、『文書図画』の制作や印刷、頒布や掲示にかかる費用の一部は公費(税金)によりまかなわれています。この選挙運動費用の公費による負担を『選挙公営』と言いますが、インターネットに関する費用は『選挙公営』の対象となっていません。

?ネット選挙に関するご質問

Qそもそも『ネット選挙解禁』ってなんですか?

A現在、インターネットを使った選挙運動は公職選挙法上禁じられています。この公職選挙法を改正し、インターネットによる選挙運動を解禁することを指します。ただし、ここで言う『ネット選挙』には、インターネットによる投票は含まれません。

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Qなんのために『解禁』するんですか?

Aインターネットを活用して幅広い選挙情報を提供することで、有権者の政治参加を促すための解禁です。

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Qいつから『解禁』されるんですか?

A2013年7月に行われる第23回参議院議員選挙の公示日(7月4日)から解禁され、この日以降に告示されるすべての選挙に適用されます。

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Q具体的には、どのようなことができるようになるんですか?

A政党・候補者は、ホームページやブログ、TwitterやFacebookなどのSNS、メールを利用することができますが、政党・候補者以外はメールを用いることはできません。

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Q選挙期間中に受信を希望しない『メール』がきた場合は?

メールが届いたらA選挙運動用のメールは、事前に受信者の承諾を得ないと送ってはいけないことになっています。身に覚えのないメールを受信したら送信元に対して希望しない旨を申し出ましょう。

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Q政党・候補者以外はメール配信が制限されていますが、Twitter等のダイレクトメッセージも使えないのですか?

A使えます。制限されるのは、SMTP(Eメール)またはSMS(ショートメール)です。Facebook・LINE・mixiなどは自由に使うことができます。

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Q公示・告示日よりも前に、ネットを使った選挙運動は行えますか?

A選挙期間以外は、ネットに限らずこれまで通り一切の選挙運動はできません。日常的な政治活動の範囲内のみ認められます。

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Qネットを使って『落選運動*』はしてもよいのですか?

Aネットを使って落選運動をすることはできますが、匿名で行うことはできません。また、虚偽の事項を公開したり誹謗中傷は落選運動の範囲外となりますので、罰せられます。
*「落選運動」とは、特定の候補者を当選させないよう呼びかける行為

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Q選挙運動のための有料広告をインターネットに出すことはできますか?

A国政選挙の届出政党と確認団体に限り、選挙期間中に選挙運動用のWEBサイト等へ直接リンクする有料広告を出すことができます。ただし、その広告上で直接的な投票依頼(=比例は○○党へ)をすることはできません。

Q当選や落選の挨拶をインターネット上で行うことはできますか?

Aホームページやブログ、メールなどで当選のお礼や落選のお見舞いなどが行えるようになります。ただし、インターネット以外でのお礼やお見舞いは、従来通り禁じられたままです。

?メール利用に関するご質問

Q受信した選挙運動用メールを印刷したり、それを配布したりできますか?

A印刷も配布もできません。また、メールを転送したり、コピーして送信することもできません。
ワンポイント受信した選挙運動用メールを自分のブログで紹介したり、コピペしてSNSで拡散することはできます。

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Q支援者名簿のメールアドレス宛に選挙運動用メールを送っていいですか?

A政党または候補者はメールを送ることができますが、承諾を得る必要があります。
選挙運動用メールを送信するには、オプトインでの承諾が必要となります。承諾には2種類あって、承諾する旨の回答をもらうケース=オプトインと、拒否する旨の回答がなければ承諾とみなすケース=オプトアウトがあります。ワンポイント政治活動用メール(メルマガ等)の受信者にはオプトアウトの承諾で足ります。いきなりオプトインでの承諾って結構ハードル高いですよね、ということで解決策を。新しく取得したアドレスに対しては、まず政治活動用メール受信の承諾を得、次に選挙運動用メール受信の承諾を得るようにすれば、いずれもオプトアウトでの承諾で足ります。

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Q受信者の『承諾』の履歴を残す必要はありますか?

A改正公職選挙法では、罰則はありませんが、履歴を残すよう義務付けられています。
ワンポイント送信先アドレスの管理をできないメルマガ配信サービスなどを利用していて、選挙用には使えなくなるということがありますので、事前に確認しましょう。

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Q選挙運動用メールの配信業務を事業者に依頼すると買収になりますか?

A文面の作成は候補者またはスタッフが行い、配信作業だけを事業者に依頼すれば問題ありません。
ワンポイント事業者側でメールを作成・配信した場合は「お金をもらって投票依頼をした」という解釈が成り立つこともあるので、依頼する側もされる側も、特に気を付けましょう。

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Q選挙運動と見做されるWEBサイトのURLを、メールに貼り付けて送付することはできますか?

AURLをメールに貼り付けて送付することは選挙運動には当たりませんので、政党や候補者以外の方でも送信することができます。
ワンポイントある意味「抜け道」的に利用することができますが、リンク先を明記せずにURLを貼り付けることはマナー違反ですし、トラブルの元になります。そういったメールを受信しても、リンク先不明のURLはクリックしないようにしましょう。

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?動画利用に関するご質問

QYouTubeなど動画配信サービスに選挙運動動画を配信することはできますか?

Aできます。ただし、政見放送を投稿・配信するには、収録・制作したテレビ局の許可が必要となります。
ワンポイント投票依頼の動画を「有償で」制作した場合は買収にあたる恐れがあります。プロの撮影クルーであっても無償で制作するのであれば問題ありませんが、現実的には考えにくいですよね。動画はインパクトが強く、プロが作ったものと素人が作ったものの違いがくっきり出ますが、「お金を払って投票依頼させた」という解釈が成り立たないように、気を付けましょう。

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Qプロジェクター(映写機)を使った選挙活動ができるようになりましたが、オンライン講演も可能ですか?

A今回、目に見えて変わることの一つに、プロジェクターの利用があります。
え、これまで使っちゃいけなかったの?という方もいるかもしれませんが、これまでは禁じられていました。
ワンポイント個人演説会などでつなぎの時間に活動紹介の動画を流しておくとか、知名度の高い応援弁士のメッセージ動画を映したり、スポーツ観戦でよくあるパブリックビューイングのようにオンラインで講演するとかができます。

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Qプロジェクターの屋外での利用は可能でしょうか?

A屋外では利用できません。屋内か屋外か区別のつきにくい場所(駅構内、アーケード商店街、ドーム球場など)については、明確な規定はありません。

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?プロバイダ責任制限法の特例と削除依頼に関するご質問

Qネット選挙解禁でプロバイダはどのような影響を受けますか?

Aプロバイダは、管理しているウェブサイトに対して、候補者から削除依頼があった時にプロバイダ責任制限法に基づいて対応する必要があります。ここで言うプロバイダとは、インターネット接続業者だけでなく、ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアサービス、掲示板等を管理している企業から一個人まで含まれます。

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Qプロバイダ責任制限法の特例ってなんですか?

Aプロバイダ責任制限法では、プロバイダが削除依頼を受けたら投稿者にその旨を通知し、7日間投稿者の意思表示がなければ削除できることと定められていますが、今回の特例で選挙期間中に限り2日間に短縮されました。
ワンポイント2日経てば無条件に削除できる、という特例ではありません。投稿者が2日以内「削除するのはイヤだ」と言ったらプロバイダは削除できません。また、特例の対象となるのは、選挙期間中の書き込みに限られます。

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Qウェブサイトや掲示板などに不適切な情報が掲載されている場合、どこに削除依頼したらいいですか?

A政党または候補者は、管理者であるプロバイダに対して削除を依頼します。特例の対象となる投稿に対し削除依頼ができるのは、政党または候補者のみで、それ以外の人はできません。
ワンポイント管理者が公選法とプロバイダ責任制限法に精通しているとは限らないため、適切に対応されない場合があります。

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Q削除の申し立てから実際に削除されるまで、どのような手続きが必要ですか?

A削除依頼を受けたプロバイダは、申立人が(1)本人であることと(2)候補者であることを確認しなければなりません。
(1)には戸籍簿や印鑑証明、電子署名が必要となり、(2)には対象の選挙を執り行う選挙管理委員会への確認が必要となります。
ワンポイントプロバイダが法人ならまだしも個人である場合、連絡がつかないこともありますし、どこの誰とも知れない人に印鑑証明を渡すのも考えものです。

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