第9回マニフェスト大賞
ネット選挙は地方選でこそ有効なツール―学生団体「選挙へGO!!」 (2014/12/17 学生団体「選挙へGO!!」副代表 青森中央学院大学4年 松山賢二)
地方自治体の首長・議会の先進的な取り組みや、地域主権を支える市民の活動を表彰する「第9回マニフェスト大賞」のグランプリと各最優秀賞の発表が11月14日、東京・港区の六本木アカデミーヒルズで行われ、8部門17作品が表彰されました。政治山では受賞された皆様から、取り組みの概要や経緯、今後の展望などを寄稿いただきます。今回は最優秀マニフェスト賞(市民部門)を受賞された学生団体「選挙へGO!!」による「ネット選挙は地方選でこそ有効なツール―学生団体「選挙へGO!!」」をご紹介します。
学生団体「選挙へGO!!」は、2011年の6月に、若者の投票率向上を目指す団体として、青森県で設立されました。発足のキッカケは、同年の統一地方選挙で、創設者の竹内博之(当時青森中央学院大学在学)が初めて投票に行ったことです。竹内が初めて投票した弘前市議選の投票率は50.83%。20代は30.64%でした。若者の投票率が低い事実に危機感を覚えた竹内は、友人に声をかけ、20代の投票率向上のために学生団体「選挙へGO!!」を発足させました。
2014年現在、代表は3代目の廣瀬陽史(青森中央学院大学4年)となり、青森県内3大学10人の中心メンバーで構成されています。学生団体「選挙へGO!!」が今年度に行ってきた主な活動として、(1)ネット版政見動画「政治家tube」、(2)未成年模擬選挙、(3)政治家と学生による居酒屋トークがあります。この中でも、最も力を入れてきた活動が「政治家tube」です。
「政治家tube」とは、青森県内の政治家の方々に自身の政治に対する思いや政策、若者向けのメッセージを語っていただく動画をわれわれで撮影し、インターネット上に公開するというものです。選挙に際しても、立候補予定者の動画を撮影しています。これらの動画は政治情報サイト「政治山」のご協力をいただき、特設ページで配信しています。
中でも、「青森市議選版」では、10月26日の青森市議選に向け、8月に、青森市議会の現職40人のうち30人の方にご協力をいただき、「任期4年間を振り返って」というテーマで撮影した動画を一斉公開しました。さらに10月には、「思いとマニフェスト」というテーマで立候補予定者44名中36名の動画を撮影し、公開しました。この2つの動画を見ることで、市民が任期中の成果と今後実現したいマニフェストの両方をセットで確認することができ、投票の有益な情報になることを目指しました。
動画撮影では、議員の方との日程調整に苦労しました。撮影対象の議員も多く、アポ取りから撮影までのすべてを学生が行うため、6月の撮影開始当初から、撮影が難航しました。しかし、議員の方々の協力も得て、何とか合計66本の動画を文字起こしも含めて公開することができました。
このたびは名誉あるマニフェスト大賞の最優秀マニフェスト賞(市民)を受賞し、大変嬉しく思っています。私たちは、「ネット選挙」が地方選挙でこそ、政治家、有権者にとって有効なツールになると思っています。地方議会に対する不信感が高まっている中、少しでも自分たちの暮らす地域の議員を知り、選挙の際の判断材料となる動画を、若者に身近なネット上で配信することが必要であると考えています。地方で活動しているわれわれだからこそ「政治家tube」という形で、地方選挙での「ネット選挙」に取り組めました。これからも、活動を後輩たちの引き継いでいってもらいたいと思っています。
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