10年後のまちづくりビジョン「湘南都市構想2022」  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップ    >   記事    >   10年後のまちづくりビジョン「湘南都市構想2022」

第9回マニフェスト大賞

10年後のまちづくりビジョン「湘南都市構想2022」 (2014/12/11 NPO法人湘南ビジョン研究所 理事長 片山清宏)

地方自治体の首長・議会の先進的な取り組みや、地域主権を支える市民の活動を表彰する「第9回マニフェスト大賞」のグランプリと各最優秀賞の発表が11月14日、東京・港区の六本木アカデミーヒルズで行われ、8部門17作品が表彰されました。政治山では受賞された皆様から、取り組みの概要や経緯、今後の展望などを寄稿いただきます。今回はマニフェスト大賞(市民部門)で優秀マニフェスト賞と審査委員会特別賞を受賞されたNPO法人 湘南ビジョン研究所による「10年後のまちづくりビジョン『湘南都市構想2022』」をご紹介します。

第9回マニフェスト大賞「優秀賞」「審査委員会特別賞」の受賞に喜ぶ湘南ビジョン研究所のメンバー

第9回マニフェスト大賞「優秀賞」「審査委員会特別賞」の受賞に喜ぶ湘南ビジョン研究所のメンバー

「市民マニフェスト」策定への挑戦!

 湘南地域は、海や緑の豊かな自然と文化、多彩な産業等に恵まれた魅力的な地域であるが、一方で、河川や海岸の環境問題、津波対策、観光振興など、一市町村の枠組みでは解決できない多くの広域的な課題がある。

 そこで、私たちNPO法人「湘南ビジョン研究所」(片山清宏理事長)は、これらの課題を解決するため、行政の枠組みを超えて、湘南9市町にわたる「湘南地域」を一体として捉えた10年後のまちづくりビジョン「湘南都市構想2022」を市民主体で作成した。

 この「市民マニフェスト」と言える「湘南都市構想2022」は、「教育・スポーツ」「観光・産業」「医療・福祉」「防災・交通」の4分科会で編成されたメンバーが10カ月間にわたり80回以上の会議を開催し策定した。最終的には24本のプロジェクト(政策提言)として冊子にまとめ、2013年2月に500人を超える参加者のもと最終提言発表会を開催。現在、その実現に取り組んでいるところである。

1200人以上の湘南の市民意見を反映!

 本構想の策定に当たっては、専門家を講師として招いた「湘南の海を考えるミニフォーラム」(全14回・参加者延べ800人)、小学生との「100人ワールドカフェ」(参加者120人)、有識者ヒアリング(約100人)、中間発表会(来場者180人)などを開催した。

 また、インターネット番組「湘南ビジョンTV」を立ち上げ、本構想の策定過程をネット上に積極的に配信するとともに、手作りによるフリーペーパー『読む湘南』も毎月1000部発行。さらに、ラジオ「J-WAVE」「レディオ湘南」、タウン誌や新聞等のメディアでも市民に積極的にPRすることにより、市民から多様なフィードバックをいただいた。

 市民意見を吸い上げることに徹底的にこだわった結果、合計1200人以上の方々からの意見を本提言に反映させることができ、専門家と市民の視点が高度に融合された「市民マニフェスト」ができ上がった。

小学生との「100人ワールドカフェ」

小学生との「100人ワールドカフェ」

市民・企業・行政と連携して実現へ!

 本構想を実現するためには、当研究所の組織体制の強化と運営資金の確保が大きな課題であった。そこで、当研究所は2013年12月にNPO法人格を取得し組織体制を強化するとともに、2014年度藤沢市公益的市民活動助成事業の助成金を獲得。結果的には、当研究所の信用力が向上し、法人会員や企業協賛も得ることができ運営資金の確保へとつながった。

 しかし、当研究所だけでは本構想の24本のプロジェクト(政策提言)の実現は困難である。したがって、今後は市民、企業、行政等とさらに連携・協働していきたい。

 なお、2014年度からは、プロジェクトの一つである「日本初!ブルーフラッグ(※)の国際認証取得」の活動に集中的に取り組んでいる。

(※)国際的な環境NGOであるFEEが実施する海岸の国際的な環境認証制度。水質、美観、安全など30項目以上の基準がある。日本での取得事例はない。

検証サイクルモデルを全国へ!

 本構想の実現目標は2022年であり、10年間かけて実現していこうというものである。そこで、市民の方々に本構想の達成状況を検証してもらうことを目的に、毎年、達成状況評価イベントを開催することにした。今後、この市民マニフェストの検証サイクルを1つのモデルとして成功させ全国に広げていきたいと考えている。

 このたびは、当研究所の取り組みが第9回マニフェスト大賞「優秀賞」と「審査委員会特別賞」に選ばれ大変光栄である。これからの時代、NPOは新たな時代を切り拓くまちづくりの担い手として、ますます社会から大きな期待を寄せられる。この受賞を励みに、市民、企業、行政とさらに連携し、より多くの知恵と力を結集することにより、「湘南都市構想2022」の実現を目指していきたい。

「湘南都市構想2022」の24プロジェクト(政策提言)

「湘南都市構想2022」の24プロジェクト(政策提言)

◇        ◇        ◇

関連リンク
第9回マニフェスト大賞 政治山特設ページ
大学に投票所を―投票につなげる松山市選管の啓発活動(2014/12/10)
改革の歩みを止めない―芽室町議会(2014/11/21)
第9回マニフェスト大賞 グランプリに相馬市長の立谷秀清氏ら(2014/11/14)
NPO法人湘南ビジョン研究所ホームページ
マニフェスト大賞ホームページ
マニフェスト大賞facebookページ