第8回マニフェスト大賞
オープンデータで暮らしやすいまちづくり (2013/12/20 流山市役所総合政策部行政改革推進課 三好洋久氏)
地方自治体の首長・議会の先進的な取り組みや、地域主権を支える市民の活動を表彰する「第8回マニフェスト大賞」のグランプリと各最優秀賞の発表が11月1日、東京・港区の六本木アカデミーヒルズで行われ、8部門16作品が表彰されました。政治山では受賞された皆様から、取り組みの概要や経緯、今後の展望などを寄稿いただきます。今回は優秀ネット選挙・コミュニケーション戦略賞最優秀賞を受賞された流山市役所総合政策部行政改革推進課 三好洋久氏による「オープンデータで暮らしやすいまちづくり」をご紹介します。
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取り組みの概要
流山市と流山市議会は、オープンデータに共同で取り組んでいます。この取り組みは、オープンガバメント(行政府の見える化による市民参加促進)が目的です。
オープンデータとは、公的機関等が保有する(個人情報などを除く)情報を、利用者が特別な制限なしに自由に利活用できるべきであるという考え方を指します。総務省は、2012年7月に策定した「電子行政オープンデータ戦略」のなかで、目的に「(1)透明性・信頼性向上」「(2)国民参加、官民協働推進」「(3)経済活性化、行政効率化」の3点を挙げ、地方公共団体を始めとする公的機関に対して、自ら積極的にデータを公開することを求めています。オープンデータの利活用が進めば、地方公共団体においては、行政と民間(市民、企業、NPO等の団体など)が、地域の問題に対して共通の目線に立って課題解決を行う土台が作られることが期待されています。
取り組みの経緯と内容
流山市および流山市議会は、2012年10月1日に実施したホームページの同時リニューアルを契機にオープンデータを試行しています。
本市の特色は、市議会と市役所が共同でオープンデータに取り組んでいることです。市議会では、定例会や臨時会の審議結果や市議会議員のプロフィールについて、コンピュータ等による判読が容易な形式で公開しています。市では、公共施設や公の設備の位置情報を中心に約20種類のデータを公開しています。
オープンデータの利用条件は、クリエイティブコモンズの掲げる「表示(CCBY)」としています。データを利用して作成したアプリ等に流山市のデータを利活用している旨を明記すれば、それ以外の特段の制限はありません(営利目的の利用も可)。
今後の展望
本市の考えるオープンデータのステップは次のとおりです。
ステップ1
行政や議会が保有するデータを使用制限なく公開する。
ステップ2
民間(市民、企業、NPO等の団体など)が、公開されたデータを元に利便性の高いアプリケーションを開発する。
ステップ3
民間(市民、企業、NPO等の団体など)が、開発されたアプリケーションを利活用して生活を豊かにする。
オープンデータの取り組みは、オープンデータを元に作成されたアプリ等が、住民(市民)の方々に便利に利用されて初めて価値を持つという認識のもと、今後も推進していきます。
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