NYの視点:トランプ米政権の経済政策整いつつある 株式会社フィスコ 2017年4月21日
米国議会は今週、春休みで政策に関する具体的な発表はない。しかし、ワシントンでは、20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁会議が本日20日から21日にかけて開催されている。
米国政府は、コーン米国家経済会議(NEC)委員長が言うように「自由で、オープン、公平な貿易」を目指している。ムニューシン米財務長官は20を超える諸国と、2国間の貿易協議を予定。米財務長官はイベントで、税制改革案の成立に向けてかなり楽観的な見解を示した。医療保険法案の有無にかかわらず「税制改革をやり遂げる」と主張。さらに、「米国経済に成長を生むこと」を最優先課題とし、自身のレガシーにすると意気込みを見せた。
税制改革では、まず、1)個人の税制簡略化を目標とする。現在7段階に分かれている層を、3、4段階にする、2)減税による歳入の減少を成長拡大などで補う、3)国境税に関しては賛否両論、国境税による通貨への影響を懸念、などが明らかになった。
第1回目の共和党ヘルスケア法案を巡る失敗を教訓に、トランプ政権、共和党指導者はタイムリミットを設けずに水面下での調整を続けている。オバマケア(医療保険改革法案)の撤廃において、民主党の賛成が1票も期待できないことから、共和党内での支持を固めることが必至となる。
28日にも予算が失効するため一部政府機関の閉鎖を回避するための処置が早急に必要となる。また、一部メディアは、共和党が新たな医療法案をまとめたと報じた。トランプ米大統領もタイムラインはないとしながらも「ヘルスケアはより良くなっている」と言及。「税制改革も近く明らかになる」ど含みをも耐えた。週明け予算成立、または、債務上限の引き上げが優先されるか、思いがけず、ヘルスケア、税制改革が発表される可能性にも注目されるところだ。
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