第77回 議員定数問題にどう取り組んだか(上)  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

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【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第77回 議員定数問題にどう取り組んだか(上) (2014/3/19 流山市議会議員 酒井睦夫氏/LM推進地議連会員)

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政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第77回は、千葉県流山市議会議員の酒井睦夫氏による「議員定数問題にどう取り組んだか(上)」をお届けします。

◇          ◇          ◇

議員定数等検討特別委員会

 2013年(平成25年)6月議会で、かねてテーマとなっていた議員定数問題を本格的に検討するため、特別委員会が発足した。「議員定数等」としたのは「議員報酬」についても検討するためであった。

 各会派から1-2人、それに会派に属さない議員を含め10人で構成、私が委員長となった。

何を議論し、検討したのか

流山市議会議員の酒井睦夫氏

流山市議会議員
酒井睦夫氏

 2014年3月議会で結論を出すことにした。選挙の1年前にしたのは新人の立候補者に配慮したためである。

 「何を議論するのか」「市民や学識の意見をどう取り込むのか」などを話し合い、16回の検討会日程と検討項目を決めた。

 イベントとして「参考人招致」「公聴会」は議会基本条例に定められており、当然実施するとしても議会としては経験がない。ほかに、市民の意向把握のために「市民との意見交換会」や「市民アンケート」をすることになった。

 議会や議員の責務や地方自治法の規定など、「そもそも論」にも時間をかけて議論をすることにした。

 議員定数や報酬は議員の身分にかかわる問題であり、会派の中での意思統一さえ簡単ではない。「削減」を旗印に当選したが、その後考えが変わるケースや、これがきっかけで会派を離脱した人もいる。

参考人招致

 最初に実施したのは参考人招致だった。議会基本条例に規定があるということもあるが、まず専門家の話を聞くことから始めるのがいい、と考えた。誰にお願いするかで多くの候補者の名前が挙がった。結局、福嶋浩彦氏(元我孫子市長、現・中央学院大学教授)と穂坂邦夫氏(元志木市長、現・日本自治創造学会理事長)に決定。2013年11月5日に開催した。

 参考人には15分間「基本的な考え」を述べていただき、その後議員から質問する。

 Q&Aは45分。そのあと参考人が代わって同じことを繰り返す。

 両参考人とも一方的な見解ではなく、バランスの取れた話をされた。質問はたくさん出たが、お二人とも百戦錬磨のベテラン。サスガというコメントだった。傍聴された市民からも好評だった。

市民との意見交換会

 年2回の「議会報告会」をはじめ、市民との意見交換会の機会は少なくない。しかし、議員定数に絞って市民と話をするのは今回初めてだった。議会だよりやホームページで告知したところ、ちょうど80人の市民が参加された。この意見交換会は、議員と併せ100人強の会合となった。(11月24日開催)

(1)「議員定数等検討特別委員会」の活動報告

(2)各会派の見解発表

(3)市民の意見または議員への質問

このイベントは大荒れになる予感がした。

 司会は誰がいいか、がポイントとなった。特別委員会の結論は「当事者でない方がいい」、ということで市外の人でファシリテ―タの訓練を受けた人に依頼した。この人選はとてもよかった。興奮した(?)市民の発言をまるく収め、時間通りに進めてくれた。

 集会の性格上、どちらかというと議員に不満のある人が多く参加する。「一般質問のレベルが低い」「議員の活動報告書を読んだがレベルが低すぎる」「こんな議員がたくさんいても仕方がない」など「上から目線」の発言も少なくない。一方「議会の権能を安易に下げるべきでない」という冷静な意見もあり、バランスのとれたいい集会となった。発言者は10数人になったが、時間の関係で発言できなかった人も10人近かった。

公聴会

 議会基本条例に「議員定数を改定する場合は参考人制度及び公聴会制度を活用する」とある。公聴会も議会としては初体験である。やり方はいろんな文献でわかるとしても、問題は「果たして市民の応募があるか」であった。

 広報紙や議会だより、議会ホームページで告知したところ、予想を上回る17人の申し込みがあった。「削減すべき」7人、「増員すべき」1人、「現状維持」9人。

 進め方は「賛成・反対」3人+3人で6人が意見陳述を行い、6人にまとめて議員側から質疑を行う。15分のQ&Aを経て次の6人に移る。多くの傍聴人もおられ、緊張はあったと思われるが、公述人は皆堂々と発言された。

 終わったあと、廊下で市民同士がチョッとした小競り合いがあったらしいが、傍聴市民も興奮されたのかも知れない。(次回は3月24日の採決結果を報告します)

著者プロフィール
酒井 睦夫(さかい むつお):1942年福島県生れ。65年慶大卒、松下電器(現パナソニック)定年後、外資系映画会社などを経て65歳で流山市議当選。現在2期目。会派「市民クラブ」代表。議員定数等検討特別委員会・委員長。
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