第75回 地方議員が真の議員提案条例ができるようになるためには  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップ >  記事 >  連載・コラム >  ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟 連載 >  第75回 地方議員が真の議員提案条例ができるようになるためには

【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第75回 地方議員が真の議員提案条例ができるようになるためには (2014/3/5 斑鳩町議会議員 伴吉晴氏/LM推進地議連会員)

関連ワード : 伴吉晴 奈良 斑鳩町 

政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第75回は、奈良県斑鳩町議会議員の伴吉晴氏による「地方議員が真の議員提案条例ができるようになるためには」をお届けします。

◇          ◇          ◇

世界文化遺産、法隆寺があるまち斑鳩町(いかるがちょう)

 斑鳩町は奈良盆地の西北部にあり、町の中心は北緯34度36分東経135度44分に位置しています。

 斑鳩町の歴史は古く、聖徳太子が飛鳥から斑鳩宮に移ってきたことで斑鳩の地は一躍脚光を浴び、中世以降、斑鳩は仏教信仰の地として太子信仰の中心地となり、集落の成立にも大きな影響を与えるようになりました。

 近世に入り、交通の要所であった法隆寺の門前や大阪街道に接した竜田村は市や宿場町として栄え、その後明治の廃藩置県を経て、昭和22年2月11日、竜田町、法隆寺村、富郷村が合併して現在の斑鳩町が誕生しました。

 現在の斑鳩町の人口は28,450人で面積は14.27キロ平方メートル、観光に訪れる方は年間約100万人になっています。

地方議会・地方政治について

斑鳩町議会議員 伴吉晴氏

斑鳩町議会議員 伴吉晴氏

 地方議員が議員提案条例することの困難さを、議員に初当選した時から感じています。

 なぜなら大半の制定条例は、首長提案になってしまっていて、議員提案条例は、議会の内部にかかわるような、非常に限定的なものに限られていることが多いからです。

 しかし、本来地方議員は地域の特性に基づいた条例づくりが重要な部分であるはずなのに、という思いがあります。

 国会議員でも通常の秘書として2人、政策秘書として1人が公設秘書として国から与えられますが、諸外国に比べ数が少なく、議員立法の数も必然的に少なくなっているのが現状です。

 どうしても、議員が政策立案するには、地域の特性やまちの状況を踏まえ考案しなければいけないのは当たり前ですが、専門的なアドバイスを受けることも大切な要素になります。

 具体的には、行政については議会事務局の事務職員が担ってくれて、専門的なアドバイスを受けることができますが、その他の会計や法律の専門的なアドバイスを受けようと思っても議会事務局の調査・法制職員が限られているからです。

 しかも、議員は複数であるので、議員1人あたりのサポート職員の数を考えても、最初に書かせていただいたように困難になってしまっています。

 実際のところ斑鳩町議会事務局の職員さんは優秀な方ばかりだと自信を持って言えるのですが。

 また、行政職員の応援がなくても独自に数人の議員が政策立案した条例が可決されても、それでうまくいくかといえば、なかなか上手くいきませんでした。

 なぜなら、条例施行の段階で行政職員から「無理です、実施することが困難です」と言われてしまい、後から思えば、多分行政側からみると必要性を感じなかったからだと言わざるを得ません。当然ながら、意味がない条例になってしまいました。

 そのような失敗の経験から、首長部局職員は首長の補助機関という考えでなく、首長および議会・議員からなる政治機関全体に対して、補助機関になってもらわなければいけないことに気付くことができました。

 そこで、今現在の議員活動は、住民の皆さん、同僚議員、議会事務局職員、行政職員等の大勢の方々と、胸襟を開いてまちづくりについて議論していくことで、二元代表制の一方を担うことができることに近づいていけると確信しています。

「救う会奈良」の活動している伴吉晴氏

「救う会奈良」の活動している伴吉晴氏

著者プロフィール
伴 吉晴(ばん よしはる):1960年生まれ。近畿大学法学部卒。行政書士 平成19年4月斑鳩町議会議員 、現在2期目。北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会 「救う会奈良会員」 。
HP:チーム4486.ネット ばんよしはる 公式HP
blog:ばん よしはるのブログ
LM推進地議連の連載コラム
第74回 議場は何を為すべきところか~議場へのパソコン持ち込みを巡る一考察~(千葉県船橋市議会議員 日色健人氏)
第73回 地方議員のお仕事~3つの活動領域で整理する~(福岡県福岡市議会議員 田中しんすけ氏)
第72回 虚しさだけが残る都知事選。今、必要なのは(東京都武蔵野市議会議員 川名雄児氏)
ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟(LM推進地議連)連載コラム一覧
関連リンク
ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟ホームページ
関連ワード : 伴吉晴 奈良 斑鳩町