SIFの最優秀賞事業を文科省概算要求に反映 (2018/9/18 日本財団)
統廃合の危機から一転、島根県一の人気高に
小泉議員、基調講演で地方創生効果を評価
自民党の小泉進次郎衆院議員は9月8日に開催された日本財団の「ソーシャルイノベーションフォーラム」(SIF)で基調講演し、2016年の特別ソーシャルイノベーター最優秀賞に選ばれたに島根県の「学校魅力化プラットフォーム」(岩本悠共同代表)の地方創生の取り組みを高く評価した上で、同事業を参考にした「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」予算4億円が文部科学省の2019年度予算概算要求に盛り込まれたことを明らかにした。
SIFは2016年に始まり、3回目となる今年は9月8、9の両日、東京都渋谷区の青山学院大学で行われた。小泉議員の講演は昨年に次いで2度目。この中で小泉議員は、島根県・海士町の高校魅力化の取り組みを紹介した上で、「高校という教育機関を通じた街づくりが今まで見落とされてきた」と指摘、文科省の概算要求に関連予算が盛り込まれたことを紹介した。
海士町は松江市の沖合60キロメートルに位置する隠岐諸島のひとつ中ノ島の町。生徒数の減少で統廃合の危機に瀕した高校を、岩本さんら学校魅力化プラットフォームの取り組みで県内外からも入学生が集まる島根県一の人気高校に変え、「ないものはない」と宣言した街づくりで観光客や移住者も増えた。
小泉議員は海士町の試みを「『都会にあるものはないが、都会にないものがある』との逆転の発想で成功した」とした上で、国としても高校など教育機関を中心とした街づくりに取り組む考えを示し、「皆さんのアイデアが政治の中に政策として、予算として生かされることになった」と述べた。
文科省の概算要求では高等学校を「自治体や産業界などと協働して地域課題の解決など学びを実現する場」と位置付け、地域振興の核として高等学校の機能強化を図るとともに「地場産業を支える人材」、「地域ならでの新しい価値を創造する人材」などの育成を目指すとしている。
学校魅力化プロジェクトはその後、島根県の小中高全体に拡大、将来、全国に広げる狙いもこめられ、「にっぽんの将来をつくる」SIFの目標に沿う事業に育ちつつあり、その成果が今回の文科省の概算要求に反映された形となる。
SIFは昨年10月に日本財団と渋谷区が結んだ包括提携に基づき、今年からダイバーシティをテーマに渋谷区が開催する複合カンファレンスイベントと統合、「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA」(SIW)として9月17日まで同区内で様々なイベントが開催されている。
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