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何してるのよ政治家―ネット投票体験型の分科会に音喜多駿都議、児玉千明町議らが登壇 (2018/9/11 政治山)

 森友・加計疑惑、セクハラ・不倫、不適切発言といった尽きることのない政治ニュースに、「何してるのよ政治家・・・」と誰もが思う一方で、社会を変えていくためには政治の力が欠かせないというのも、また事実。「文句ばっかり言っていないで、政治を動かす力を身につけて、カタチにしよう!」ということで、民主主義を活性化させるイノベーションについて討論するというイベントが、9月8日に東京の青山学院大学で日本財団が主催した「ソーシャルイノベーションフォーラム2018」の分科会として行われました。

 2020年にも実現が見込まれるネット投票によって、国民と政治の関係も大きく変わる事が予想されます。そこでこの分科会では、登壇者4人が「民主主義を活性化させるために5年以内に行うこと」というマニフェストを提案。そして、会場およびネットで参加している人たちによって、そのマニフェストに対してネット投票をするという企画が行われました。まず提案者を伏せたうえで4つのマニフェストに対するネット投票が行われ、その結果を公表したのち、登壇者が自分のマニフェストについて熱く語っていきました。

左から原田謙介氏、音喜多駿都議、児玉千明町議、古田大輔氏、市ノ澤充氏。

左から原田謙介氏、音喜多駿都議、児玉千明町議、古田大輔氏、市ノ澤充氏。

 まず、「ゼロ歳児から一票を!18歳未満の子どもを持つ親権者には、子ども分の投票権を代行できる『ドメイン制度』を導入します」としたのは、ネットでの発信数日本一の政治家・おときた駿 東京都議会議員。おときた議員は、シングルマザーの問題が悪化する一方であるのは、シングルマザーには票の政治的な力がないからと指摘。ドメイン制度は劇薬かもしれないが、シングルマザーや若者たちのような政治的弱者に力を持たせていく事が出来るのだと、力強く主張。

 そして、「議会や委員会、傍聴席でなく議員1人につき、付き添い(傍聴者)を1名可能な議会にします」としたのは、狩りガール議員の児玉千明 福井県高浜町議会議員。児玉議員は、政治は政治家だけがするものではない。自分も議員になるまで政治に興味はなかったが、やってみて初めてしっかり考えるようになった。多くの人が議会に来て、みんなが当事者になって関心を持ってほしい。「政治って変わるのが遅い」という印象がある中で、これだったら一番実現可能性があると、明るく主張。

 また、「#Never Againのように、社会問題に関する若者のネットでの発言が、数百万人規模の運動に発展する社会へ」としたのは、ネットメディア『Buzz Feed Japan』の古田大輔編集長。アメリカフロリダ州の高校での銃乱射事件を受けて、「Never Again(二度としないで)」と銃規制を求める運動が、高校生を中心にSNSを通じて全米各地に広がった事例を紹介。誰かがネットで挙げた声が共感を呼んで、社会を変えていく。そのような、政治に夢が持てる世の中にしていきたいと、明快に主張。

 最後に、「2022年の参院選でインターネット投票を実現し、2023年の統一地方選までに住民総会を支えるインターネット投票システムを提供します」としたのは、株式会社VOTEFORの代表でネット投票プランナーの市ノ澤充 社長。制度や仕組みを変えることから、民主主義は活性化できる。投票機会の平等、選挙事務の効率化を実現して、新しい民主主義のカタチを創出していきたい。市町村議会には設置の法的な義務付けはないので、住民総会という形で意思決定する仕組みを作ることは可能と、真摯に主張。

 この後、主権者教育の活動を進めるNPO 法人『Youth Create』の原田謙介 代表理事の司会による軽妙な運営の下で、白熱した議論が行われました。そして、討論と質疑応答終了後に投票変更が行われた上で、市ノ澤氏のマニフェストがトップとなった投票結果が発表されました。これを受けて市ノ澤氏からは、ネット投票が実現出来ると他の3人の方々のマニフェストの実現も、加速度的に進めて行くことができる。だから、ぜひともネット投票を実現させて、日本の民主主義を活性化させるイノベーションを興していきたいという、強い意志が表明されました。会場からは拍手が起き、多くの参加者が日本の民主主義のイノベーションの可能性を感じた中で、分科会は終了しました。

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