難病支援の地域連携ハブ拠点「くるみの森」―富山県高岡市にオープン (2018/6/1 日本財団)
富山県高岡市に「くるみの森」オープン
医療的ケア児対応のリハビリルーム完備
難病の子どもと家族が安心して利用できる地域連携ハブ拠点「くるみの森」が富山県高岡市に完成し、5月6日、開所式が行われた。日本財団が全国で整備しているハブ拠点の18カ所目となる。全国的に不足する小児専門の理学療法士をスタッフに迎え、設備の充実したリハビリルームがあるのが特徴だ。将来、子どもたちが働く場として利用できるカフェも併設され、ママカフェや赤ちゃん教室などのサポート活動も行われる予定。
難病の子どもは全国で25万人以上とみられ、そのうち胃ろうや人工呼吸器など、医療的ケアが必要な子どもは1万7千人以上といわれている。医学の発達に伴い、救うことができる命が増えた反面、家庭のなかで子どもたちの介護を担う家族への支援が不足し、疲弊する人も少なくない。このため、日本財団は「医療」「福祉」「教育」「フィランソロピー(慈善活動)」の4領域について、「医療的ケアが必要な小児に対応する訪問看護研修」「ICTを活用した退院・復学支援事業」「外出が困難な子どもと家族向け相談カーによる訪問」等、毎年約40のモデル事業を全国規模で支援している。今回オープンした「くるみの森」は、医療的ケアが必要な子ども達や、発達障害児・知的障害児の通いの場となり、あらゆる子ども達を想定した多様な部屋を備えている。
将来、子ども達が働く場としても利用できるカフェを併設しており、ママカフェや赤ちゃん教室など柔軟なサポート活動を行えるようなスペースもある。室内はどこからも陽の光が差し込み、開放的なつくりになっている。子どもたちの介護を担い、疲弊した家族やきょうだいにとってもホッと出来る空間だ。
開所式には、新しい「くるみの森」のオープンを待ち望んでいた子どもたちやその家族、医療福祉専門職、行政関係者、地域住民ら約180人が参加、「くるみの森」の完成を笑顔で祝った。利用者の家族は「手術のために別の県に出向き、帰ってきた時にどうすれば良いか分からず困っていたが、くるみの森があったから救われた。サービス面だけでなく、精神的にも支えてもらった」と感謝を述べた。
また、日本財団の吉倉和宏常務理事から、NPO法人くるみの岡本久子理事長に福祉車両の贈呈が行われた。高岡第一学園附属第三幼稚園の園児らも沖縄の伝統芸能「エイサー」演舞を披露し、拍手が沸き起こった。園児らからは「くるみの森の皆さんと、高岡第一学園附属第三幼稚園で、仲良くしましょう」と、元気の良いエールが送られた。
日本財団が進めている「難病の子どもと家族を支えるプログラム」では、これまでに19カ所の拠点開設支援を決定している。2020年までに全国で計30拠点を整備、日本全国に笑顔を増やしていく予定だ。
●日本財団の難病児支援(日本財団公式サイト)
●「難病の子どもと家族を支えるプログラム」ウェブサイト
●「くるみの森」公式ウェブサイト
●「くるみの森」FBページ
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