[東京・墨田区]伝わる広報紙づくりへの取り組み。 (2019/10/16 マイ広報紙)
この記事は「墨田区のお知らせ「すみだ」2019年10月11日号『区報ジュニアレポーター企画 すみだの産業(1)』『区報ジュニアレポーター企画 すみだの産業(2)』」を紹介し、コメントしたものです。
自治体は広報紙やホームページをはじめ、チラシ、ソーシャルメディアといった多様な広報媒体をもっています。とくに広報紙は地域で最も発行部数が多い紙媒体といってもよいかもしれません。しかし、いくら発行部数が多くても、そこに掲載された情報が読者に伝わらなければ意味がありません。いま、多くの自治体では“伝わる広報紙”を目指してさまざまな取り組みが行われています。
今回は、東京都墨田区の「墨田区のお知らせ『すみだ』」2019年10月11日号の“区報ジュニアレポーター企画 すみだの産業(1)・(2)”を取りあげます。これは、墨田区内の中学生が“区報ジュニアレポーター”となり、自分たちで特集テーマを決め、取材から紙面の作成までを行った記事です。テーマは「すみだの産業」です。墨田区の中小企業や職人が平成の時代にどのような取り組みをしてきたのかについて、中学生の視点で取材されています。ここでは、80年にわたって江戸切子の技術を伝承する企業、半導体製造装置の金属部品を製作する企業、革小物を企画から製作まで行う100年を超える歴史をもつ企業、東京で唯一の屏風を制作する企業が紹介されています。いずれの文章も、企業の特徴や歴史、未来に向けた展望を伝えていて、たいへん読みやすくまとめられています。中学生によるグラスづくり体験の感想や経営者の方から中学生へのメッセージなど、中学生記者ならでは文章もあります。市民記者による記事を掲載している広報紙もありますが、中学生に取材から紙面作成まで体験してもらうことは大人の場合とは違った大きな意義があると思います。
最近では、広報紙の閲読率が減少傾向にあるといわれます。しかし、行政と市民が一緒に広報紙をつくるという取り組みは、両者の間にコミュニケーションを生み、新たな関係を築くきっかけになると思います。
☆東京都墨田区の観光情報
墨田区のイベント、観光スポット、歴史・文化などを紹介した「本物が生きる街 すみだ観光サイト」はこちらです。
- [筆者](一社)自治体広報広聴研究所代表、公共コミュニケーション学会理事、元自治体職員、東京都在住 金井茂樹
- [参考]墨田区のお知らせ「すみだ」2019年10月11日号
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