[富山・黒部市]黒部市の広報紙から根室市に思いを巡らす! (2016/9/16 本田正美)
この記事は「広報くろべ2016年9月号『根室市の皆さん、ようこそ黒部市へ』」を紹介し、コメントしたものです。
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自治体の多くは姉妹都市提携を他の自治体と結んでいます。その提携の基準は歴史的な来歴によるものが多いようですが、最近では災害に備えて、お互いに支援をし合えるように遠方の自治体と戦略的な意味を込めて提携を行うこともあるようです。
今回記事を紹介する黒部市は、北方領土を接点として、根室市と姉妹都市になっています。富山県は北方領土からの引き揚げ者が日本で2番目に多く、その多くが黒部市に引き揚げてきたということが広報紙の記事中にも記述されており、その関係もあって、北方領土の対岸である根室市と姉妹都市提携を行っているようです。
8月5日には、根室市の中高生11人が黒部市に訪問しています。記事によると、「北方領土返還署名運動を行った」とあります。他にも黒部市の中学生との交流や企業訪問を行ったようですが、姉妹都市につながる来歴に根差した活動を行っていることは大変有意義なことであると思われます。
ちなみに、黒部市のWebサイトには、根室市との交流経過が掲載されているのですが、1974年から密接な交流が行われてきたことがうかがい知れます。
http://www.city.kurobe.toyama.jp/contents/koryu/nemuro2.html
単にどの自治体と姉妹都市であるのかどうかではなく、どうして姉妹都市であるのかに思いが巡らされるような意義な交流が図られる事業の展開として、この記事にある根室市の「根室市中高生友好のかけはし事業」は注目されて欲しいと思います。
ということで、黒部市の広報紙の記事から、姉妹都市の根室市の事業について思いを巡らしてみました。
- [著者]島根大学研究機構戦略的研究推進センター特任助教、東京大学大学院情報学環交流研究員 本田正美
- [参考]広報くろべ2016年9月号