訪日外国人「V字回復」で過去最高の3,000万人突破確実 自然災害の影響を挽回 (2018/12/4 Airstair)
日本政府観光局(JNTO)は11月21日に2018年10月の訪日外国人数(推計値)を発表し、訪日外国人数は前年同月比1.8%増の264万600人で10月としては過去最高を更新したことがわかった。2018年1月からの累計は前年比9.7%増の2,610万9300人となる。
2018年も前年に続きインバウンドによる追い風を受ける中で6月に大阪府北部地震が発生。その後、7月には西日本豪雨により住宅の浸水被害などが多数発生した。
さらに追い打ちをかけるように9月には台風第21号の影響で関西空港が完全閉鎖に。連絡橋がタンカーの衝突で利用できなくなったことに加えて、第一ターミナルの滑走路が浸水するなどし、国際線が開催されたのは閉鎖から10日後。
度重なる自然災害で、2018年9月の訪日外国人数(推計値)は前年同月比5.3%減の215万9600人と5年8カ月ぶりに減少に転じ、大台の3,000万人が危ぶまれる事態となっていたが、10月は大きく持ち直し「V字回復」を果たした。
訪日外国人数の「V字回復」により、現実味を帯びてきたのが、過去最高の3,000万人の突破だ。2017年の訪日外国人数は2,869万人と残り約130万人で涙をのんだが、2018年は史上初の大台が見えてきた。
訪日外国人、過去最高の3,000万人突破確実
2018年10月までの訪日外国人数は累計2,610万9300人であることから、史上初の3,000万人突破に必要とされる数は11月と12月の2カ月で約390万人。
2017年11月と12月の2か月間の訪日外国人数は約490万人。2018年10月の前年同月比伸び率が1.8%であったことを踏まえると3,000万人の達成は確実だ。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックを控えるとともに、2025年には大阪で55年ぶりの大阪万博の開催が決まった。政府目標は2020年までに4,000万人、2030年までに6,000万人を目指す高い目標となるが着実に前進している。
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