ビックリ!名刺を埋没させると1社あたり120億円の経済機会損失だって (2018/10/10 瓦版)
無駄にしてませんか? “名刺1枚=74万円”の経済価値
「○商事の○●です」。商談などで交わされる名刺交換は、新たなビジネスの始まりの“儀式”といっていいだろう。ここをきっかけにつながりが生まれ、ビッグビジネスへ発展することもあったりする。逆にいえば、この機会を単発で終わらせれば、何の価値も生み出さない…。
ビジネスの可能性がギッシリと詰まったこの儀式。なんと、名刺1枚当たりの経済価値に換算すると、74万円に相当するという。単純に、名刺交換した瞬間から、74万円の経済価値が発生しているワケだ。たかが名刺交換と思っている人はいないだろが、次回から背筋がピンと伸びる驚愕のデータだ。
ところがこの“黄金カード”、約61%が有効活用されず、冬眠状態になっているという。経済効果として算出すると1企業当たり、年間約120億円(常用雇用100人以上)もの経済損失になるという。なかには、何本もの営業電話の末にたどり着いた名刺交換で得た1枚もあるだろう。そんな名刺も含め、6割以上が埋没しているのは、あまりにももったいない…。
埋没名刺による1企業の経済損失は120億円!
調査を実施したSansanのR&D研究員・戸田淳仁氏は次のように考察する。「今回推計した損失額は交換した名刺が持つ価値を組織で最大限活用したらという前提です。あくまで平均ですが、120億円というのは私自身も驚きました。この数字だけでは判断できませんが、名刺管理をしっかり行えば営業先への訪問機会やビジネスチャンスの拡大、企業の生産性向上につながる可能性は非常に高いと考えています」。
職場全体でしっかりと名刺を共有・可視化するのは当然として、さらなる工夫で名刺の持つ価値を浮き上がらせる。それくらいの取り組みで入手した名刺の束を最大化する。120億円もの機会損失を考えれば、そこにそれなりの労力を投入しても十分おつりが来るだろう。
働き方改革ではあらゆる部分の変革が求められている。それは単に古いやり方を刷新するというアプローチだけでなく、新たな価値を生み出すことも含まれている。交換した名刺の6割以上が有効活用されていないという事実。これだけでも、働き方改革で取り組むべき課題が山積していることが分かる。同時に、名刺交換という“儀式”の中に、新たなビジネスの種が詰まっていることが透けてみえる。
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