フリーランスの“活躍度”が融資額に連動する時代が到来 (2018/1/16 瓦版)
個人の時代加速へ広がる個人融資サービス
2018年は個人の時代――。クラウドソーシングの浸透でフリー転身や副業はグッと身近になった。個人が稼ぐことが身近になり、“独立”への障壁も大きく下がっている。平成末期の今年は、その壁をなくすほどのインフラが整備され、いよいよ正社員>フリーランスの構図にも変動が起こるかもしれない…。
昨年末、個人事業主を勇気づける動きが次いで発表された。まずランサーズが12月18日にフリーランス向けの融資事業を。12月22日にはクラウドワークスが個人の資金調達を支援するサービスに乗り出すことを発表した。それぞれ、新生銀行、CAMPFIREと業務提携してのサービス提供。クラウドソーシング業界の両雄がほぼ同じタイミングで個人への融資を打ち出したのは、個人融資への機が熟しつつあることの証明といえるかもしれない。
新たな指標で評価される信用力が変えるフリーの働き方
フリーランスなどの個人事業主にとって、資金調達は大きな壁だ。バックグラウンドがないため、信用力が事実上ゼロとみなされるからだ。だが、両社が打ち出したレンディング(貸金)サービスは、従来の信用情報に加え、クラウドソーシングでの仕事の記録などをスコア化し、信用力として評価。つまり、フリーランスとしての仕事ぶりが信用情報として評価され、資金調達を可能にする。
仮に信用を落とした過去があっても、基本的にはあくまで現在の仕事からスコア化された数値が根拠となり資金調達できるため、フリーランスでもしっかりと実績を積み上げていればお金の心配はしなくていいことになる。企業ブランドでなく、自分の腕一本で収入を得るフリーランスにとって、こうした仕事ぶりベースの資金調達の仕組みは理にかなっており、個人事業主の増大を後押しすることになりそうだ。
クラウドソーシングの浸透で、フリーランスの仕事探しの問題がクリアされた。そして2018年、個人融資のインフラが拡充へ。そうなれば、個人は必ずしも企業に所属していなくても、それなりの事業活動が可能となる。フィンテックとの連動へと進展すれば、個人として活躍するほどに信用力が上がり、より大きなアクションに取り組むこともできるだろう。
学歴、所属企業、年収、返済履歴…。そうした従来の指標に変わり、仕事実績、クライアントへの対応力、納品速度…など、これまではカウントされなかった要素が信用力の評価に適用される。そうなれば、個人事業主はまさに実績を積むほどにスコアアップを図れ、信用力をアップできる。それだけに、今後の拡大には、より多様で適正な指標によるスコアの精度向上が重要になる。もっとも、不透明感たっぷりの企業の評価とは真逆へ向かうことは確実なだけに、その成り行きが注目される。
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