観光庁、年内に民泊の統計データを公表へ (2017/10/31 Airstair)
観光庁は、年内に訪日外国人消費動向調査の中で民泊の利用状況に関する統計データを公表することが取材で明らかになった。インバウンド(訪日外国人)の急激な増加によって民泊利用も大幅に拡大しているとみられるが、民泊の利用状況に関する情報はこれまで明らかになっていなかった。全国的に民泊を解禁する住宅宿泊事業法(民泊新法)を控え、民泊データの収集により実態の解明を急ぐ。
観光庁によると、2016年の訪日外国人数は2,404万人(前年比17.9%増)で最多記録を更新。政府では2020年の東京五輪・パラリンピックまでに4,000万人のインバウンドを目標に掲げるが、2017年は1~9月までで2,200万人を数え、2016年の数値を大幅に上回ることが確実になっている。
民泊の市場調査を手掛けるメトロエンジン株式会社の「メトロデータ」によると日本全国の民泊物件数は50,000件であり物件数はここ数年で急増。物件数の急増とともに利用者も急増していることは明らかではあるが、これまで観光庁として民泊利用に関するデータを公開できていなかった。
このような状況を受けて、観光庁は年内に「訪日外国人消費動向調査」の中でどの宿泊施設に泊まったかのアンケート項目の中に「民泊」という選択肢も加えて民泊の利用状況を公開する。
住宅宿泊事業法ではホストに定期報告求める
来年6月15日に施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)では、住宅宿泊事業者、いわゆる民泊ホストに対して2か月ごとに定期報告を求める。具体的には、届出住宅に人を宿泊させた日数、宿泊者数、延べ宿泊者数、国籍別の宿泊者数の内訳だ。
観光庁では、住宅宿泊事業法施行後に提供されるこれらの民泊利用に関するデータについても民泊統計としてデータを公表する考え。これにより今まで明らかになってこなかった民泊の利用者に関する数字もみえてくることになる。
その一方で、新法民泊は年間の提供日数が180日以内に制限される。新法施行後に50,000件の民泊のうちどれくらいの物件が新法での届出を行うかは未知数で、届出物件数の推移にも注目したい。
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