訪日外国人数、8月として史上最高の247万人超え (2017/9/24 Airstair)
今年8月の推計訪日客数が、8月として過去最高を記録した。日本政府観光局(JNTO)によると、同月に日本を訪れた外国人は、昨年8月より約2割増しの42万人多い247万7500人。訪日外国人数の4分の1を占める中国からの訪日客も市場で初めて80万人を超すなど、インバウンドの好調ぶりを見せつける結果となった。
8月の推計訪日外国人数は7月よりも約20万人減少したものの、8月としては過去最高の数値となる。夏期休暇シーズンの旅行需要の高まり、チャーター便を含む新規航空路線の就航や増便、訪日クルーズの利用者の増加などの影響が響いた。また、中国からの訪日客数が増加した背景には、査証発給要件の緩和による個人旅行の増加、クルーズ船の増加などの影響が大きいとみられる。
中国からの訪日客数が初めて80万人を超す
国、地域別の訪日外国人数をみると、1位は中国の81万9700人(前年同月比21.1%増)、2位が韓国の62万900人(同35.3%増)、3位は台湾の37万7800人(同13.4%増)。これに香港、米国、タイ、ベトナムなどが続く。中国から香港までの上位4位の合計数が全体の8割を占めるなど、総体的にアジア圏からの旅行者が目立つ。
また、中国からの訪日客数が単月として史上最高を記録したのに加え、調査対象国、地域の中ではインドネシア、イタリア、ロシア、スペインを除いた15の国、または地域で8月の数値として過去最高となった。
前年同月比の伸び率が顕著なのは、ベトナムの43.6%(2万4700人)、マレーシアの35.8%(2万1100人)、韓国の35.3%など。逆に減少したのはイタリアの6.4%減(1万7200人)、スペインの1.1%減(1万4900人)の2カ国のみだった。減少の原因として、世界情勢による国内旅行志向の高まり、為替動向に起因したツアー価格や航空運賃の高騰などがあるとJNTOはみている。
今年の訪日客数は速報で2,000万人に
今年1月からの訪日客は前年同期よりも17.8%増の286万人多い1891万6200人となった。観光庁の田村長官は20日の記者会見で、訪日客が9月15日時点の速報値で2千万人を突破したことを明らかにした。JNTOは昨今の世界情勢、旅行目的地の多極化などの市場動向を踏まえつつ、訪日プロモーションを継続する方針を示した。
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