2020年に京都市で大規模MICEが決定 民泊への期待感も? (2017/8/25 Airstair)
法務省は8月15日、第14回国際連合犯罪防止刑事司法会議(コングレス)の開催地を京都市とすることが閣議了承されたと発表した。コングレスは、2020年4月に国立京都国際会館を会場に約150の国・地域から、最大で5,000人が参加予定をする国連最大の国際会議で、民泊需要への期待感が高まる。
国際連合犯罪防止刑事司法会議は、犯罪防止・刑事司法分野の国連最大の国際会議。1955年にスイス(ジュネーブ)で第1回会議が始まった。5年ごとに開催され、日本では1970年の第4回会議が京都で開かれた。それ以来、国内開催は50年ぶりになる。20年の会議の全体テーマは「2030アジェンダの達成に向けた犯罪防止、刑事司法および法の支配の推進」(仮訳)となっている。
京都でのコングレス開催は、東京五輪・パラリンピックが開催される同年に、西の都でも多くの集客が見込まれる経済効果の大きいビジネスイベントである『MICE』が開かれるを意味する。
2020年は政府目標として、4,000万人のインバウンド(訪日外国人)の目標を掲げている。これを基に京都市観光局が試算した結果によると、20年に市に宿泊するインバウンドは630万人以上と推定している。
京都文化交流コンベンションビューローの調査によると、京都市内の宿泊施設の平均稼働率は90%前後で推移。特にインバウンド客が急増している今、5,000人規模のMICEによる集客数を全て市内の宿泊施設に収容するのは困難だ。
京都市が打ち出した「宿泊施設拡充・誘致方針」によると京都市に宿泊する外国人観光客の数を2020年に440万人と想定すると少なく見積もって10,000室不足しているという。16年以降に新設・増設されるのは6,000室で、4,000室が現状で不足する計算だ。
宿泊施設不足に対する京都市の対応とは
2016年10月に京都市は、「観光立国・日本を牽引する質の高い宿泊観光」を目指し、市内の宿泊施設の拡充および誘致に関する総合的な考え方や施策をまとめた「京都市宿泊施設拡充・誘致方針」を策定。
ホテルや旅館など宿泊施設の開業相談や、上質な宿泊施設の誘致活動、旅館の事業承継等の相談窓口となる「旅館・ホテル等拡充・誘致総合窓口」を今年4月に開設。
またホテルなどの宿泊施設の立地が制限されている住居専用地域などにおいても,市民の住環境との調和を前提としたうえで、市が定める要件を満たした上質な宿泊施設について、特例的に宿泊施設の開業を認める制度を検討を進めている。
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