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学内に設置の期日前投票所 利用率低く閉鎖も (2017/7/10 筑波大学新聞

 筑波大学生らの求めで昨年7月の参院選以降、筑波大の中央図書館に設けられた期日前投票所の投票者数が、一日平均で参院選147人、同11月のつくば市長・市議選130人と、市内のほかの8投票所の投票者数(参院選180人、市長・市議選471人)を下回ったことが、同市選挙管理委員会への取材で分かった。同図書館の期日前投票所は「利用者に学生の姿が少なかった」(同選管)ともいう。今後も投票者数が少ない場合、同投票所は閉鎖の可能性もあり、同選管は学生に利用を呼びかけている。

 通常、期日前投票所は参院選で16日間、市長・市議選では6日間、投票日前日の土曜日まで設置されるが、中央図書館内の投票所は両選挙とも投票日前の火曜~木曜の3日間設置。利用時間は、ほかの市内のほとんどの期日前投票所よりも2時間短い、午前11時~午後7時で、市民なら誰でも利用できた。

期日前投票所を利用する学生(昨年6月27日、中央図書館で)

期日前投票所を利用する学生(昨年6月27日、中央図書館で)=大西美雨(社会学類4年)撮影

 同選管によると市内に住民票がある筑波大生は5000~6000人で、昨年6月から選挙権年齢が18歳に引き下げられ、全員が選挙権を持つ。だが、同選管の田中千晴事務局長によると「期日前投票所がある中央図書館の周辺には学生が多く住むが、外見などから(両選挙とも)利用者は学生が少なく、大学職員とみられる人などが多かった」という。

 また、両選挙の投票率は、市全体では参院選で51.38%、市長・市議選で53.31%だったが、天久保、天王台、桜、春日など筑波大生が多く住む地域が対象となる3投票所での投票率は、14ポイント~36ポイント低かった。

 田中事務局長によると、同図書館内の投票所は平成31年度まで開設予定。だが、投票所設置には費用がかかり、利用者数が伸び悩む場合、平成32年度以降の閉鎖の可能性もあるという。

 同選管は今後、筑波大生に期日前投票所の存在をアピール、利用者増を目指す。田中事務局長は「筑波大生には、まず住民票をつくば市に移したうえで地域や政治に関心を持ち、期日前投票所を積極的に利用してほしい」と話している。一方、同図書館の期日前投票所の期間延長は「投票日(日曜日)前の土日にも開設するとなると、大学側との調整もあり難しい」という。

 同選管によると、同市内の有権者数は両選挙ともに約17万5千人。うち筑波大中央図書館を含め同市に9カ所設けられた期日前投票所の利用者は、両選挙ともに計約2万4千人だった。

 同図書館の期日前投票所は、昨年4月から筑波大生らが市に設置を働きかけ、実現していた。

(筑波大学新聞・石川泰行(いしかわやすゆき) 社会学類3年)

提供:筑波大学新聞 第336号 2017.07.10発行

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