生徒会選挙で模擬投票、「本物」で仕組み学ぶ (2017/2/9 タウンニュース)
みどり養護学校(巴伸一校長)は1月30日、生徒会長選挙で、国政選挙で使われる本物の投票箱や投票用紙を取り入れた模擬投票を行った。横浜市緑区選挙管理委員会も出前授業を行い投票のやり方や選挙の仕組みを教えた。
昨年、選挙権年齢が18歳に引き下げられたことを受け、区選管では若い世代への選挙啓発の一環で、高校や大学での模擬投票などを実施している。みどり養護学校でも昨年から、選挙の仕組みを体験できる機会が設けられないかと模索していたといい、今回の模擬選挙は同校が区選管に協力を要請するかたちで実現した。
養護学校での模擬選挙や有権者教育はまだ実施例が少ないというが、「選挙権は等しくある。必要なサポートを受けながら、自信を持って選挙に参加してほしい」と区選管の石黒聖さんは話す。
生徒らは区選管の協力のもと、昨年11月から授業でも選挙の必要性やルールを学んできた。1月13日には、選管職員による出前授業が実施され、イラストなどを用いた特別講座で生徒会選挙への準備を少しずつ進めてきたという。
巴校長は「投票の手順を覚えたり、慣れない場所での投票には不安を抱える生徒も少なくないが、イラストなどを用い、視覚的に伝える工夫を授業に取り入れてきた」と話す。
これまでの授業の集大成となった生徒会長選挙では、本番さながらの選挙ポスターや公約発表を取り入れ、生徒一人ひとりが実際の候補者選びを真剣に取り組んだ。生徒らは代理投票の申し出や本人確認の手順などを確認し、緊張した面持ちで投票に臨んだ。
投票は近隣区の個別指導学級や特別支援学校の教員にも公開された。
投票率向上に期待
横浜市はこれまでも障がい者が抵抗なく選挙に臨めるように、段差の是正や点字プレートの用意、意思疎通のためのコミュニケーションプレートの設置など障がい者の投票率向上のための施策を行ってきたが、まだまだ伸び悩んでいるのが現状だという。
担当者は「選挙年齢が引き下げられたことで、若いうちから選挙に意識を向けられる今回のような機会が生み出された。まだまだ投票に不安を感じる人が多いのも現状だが、今後もこうした取り組みを続けていきたい」と話している。
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