6割以上の都民が老後を過ごしたい場所とは? (2016/11/16 QLife)
20代は「移住」にも高い関心
「高齢化」は、地方だけで起きている現象ではありません。最新の統計によると、東京都の高齢者(65歳以上)人口は約301万人と、初めて300万人を突破。高齢化率は23.1%で、こちらも過去最高を更新中です。さらに、民間の有識者で作る「日本創成会議」が「2025年には東京圏の介護施設の不足が深刻化する」と衝撃的な発表をするなど、東京でも着実に高齢化は進んでいます。
このような背景のもと、東京都では、24老後の暮らし方や親の介護などに関する意識を把握し、今後の高齢者施策展開のためのデータを得ることを目的に、現役世代の都民にアンケートを実施。20歳から65歳未満の都民2,602人から回答が集まりました。今回は、この中から老後の居住地に関する項目を紹介します。
高齢期(65歳以上)を過ごしたい場所は、都内希望者が6割半ばと最も多く、東京以外への移住を希望している人は14.7%と少数にとどまっています。年代別に見ると、40代以上は都内志向が強く、年代が上がるにつれて強まる傾向にあります。一方で、20代は海外への移住希望者も含めて24.2%が移住を希望していることがわかりました。
最期を迎えたい場所は、やはり自宅
移住希望者に、移住をする上での不安を訪ねたところ、「日常生活の利便性」が44.3 %と最多で、次いで「医療・福祉(41.0%)」、「公共交通の利便性(33.9%)」、「移住先の人間関係(25.5%)」などという結果でした。しかし、「東京・近隣3県(埼玉・千葉・神奈川)以外の国内」に移住したい人は、利便性をさほど懸念しておらず、都市のけん騒から離れてゆっくり暮らしたいという「スローライフ」への憧れも見てとれます。
高齢期を過ごしたい場所を選んだ理由としては、「住み慣れた地域に暮らしたいから」、「日常生活の利便性がよいから」、「家族・親戚・友人など親しい人がいるから」などが上位。また、地方への移住を希望している人は、「食べ物や水、空気が美味しいから」、「健康的な生活を送りたいから」が全体と比べ高くなっており、目的に合わせて移住先を選ぶ人が多いようです。
最期を迎えたい場所は、「自宅(38.2%)」が1番で、「ホスピス(緩和ケア病棟)」、「ホスピス以外の医療機関」と続きます。老後の暮らしを経て、いずれ訪れる人生の終末。病院で亡くなる方が増える今、住み慣れた自宅で看取ってもらうことは、理想の最期なのかもしれませんね。(菊地 香織)
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