老後は孤独?健康が不安?未婚vs既婚・20代vs50代の老後感が明らかに (2016/9/15 QLife)
50代かつ未婚者ほど老後の不安感が強い
社会システムが変動する中、「老後」と聞いてまず考えずにいられないのが、お金や生活の不安ではないでしょうか。自分の寿命を知っている人はいないため、最後まで健康で自由な暮らしができるかどうかを心配する人も多いはず。特に、「老後」が近くに迫っていればいるほど、現実的な不安に襲われることも考えられます。
現在まだ老後に達していない年代の中で、不安感の違いはどうなのでしょう。株式会社ネオマーケティングでは、全国の20代と50代の男女1,000人を対象にインターネットリサーチで「ヤングとシニアの老後感に関する調査」を実施。未既婚別に、老後のイメージや経済的なこと、健康への不安感などが明らかになりました。
まず「老後」について不安を感じているかを尋ねたところ、「非常に不安を感じる」と回答したのが50代の未婚で41.7%と最も多く、一番少なかったのが20代未婚で29.6%。老後に近づいている未婚者ほど不安感が強く、老後をまだイメージしづらい20代の未婚者は楽観的だということがデータに表れる形になりました。「非常に不安を感じる」と「やや不安を感じる」を合わせた数字を比べてみると20代が64.2%、50代が79.6%で、15ポイント以上の差となり、シニア層の不安感の高さがうかがえます。
50代未婚者の66.4%が老後の孤独を心配
それでは自分の「老後」のイメージに関しては、ヤングとシニアで違いはあるのでしょうか。老後の予想で最も近いものとして選ばれたのが「経済的には余裕はないが、健康で働きながら自宅で暮らしている」(20代33.6%、50代44.4%)。次いで「経済的に余裕があり、自宅に住んで、旅行や趣味を楽しんでいる」(20代23.0%、50代19.6%)が2位、「経済的な余裕もなく、年金だけで1人で自宅で暮らしている」(20代21.8%、50代19.2%)が3位という結果に。特筆すべきは50代の未婚者で、2位となった「経済的に余裕があり、自宅に住んで、旅行や趣味を楽しんでいる」で6.7%と極端に低い数字となりました。さらに、3位となった「経済的な余裕もなく、年金だけで1人で自宅で暮らしている」では40.3%と、50代全体の19.2%を未婚者が押し上げ、強い不安感が露見しました。
では「老後」の不安や心配など、具体的な内容を見ていきましょう。20代・50代ともに最も多かったのが「老後は健康でいられるか不安だ」(20代・55.8%、50代・62.2%)でした。未既婚別で見ると、20代未婚・53.6%、20代既婚・62.4%、50代未婚・56.3%、50代既婚・64.0%と、ヤングかシニアにかかわらず既婚者の方が健康に関する不安が高いことがわかりました。その一方で、「老後は孤独になりそう」(20代・46.6%、50代・41.8%)では、未既婚別で50代未婚が66.4%で最多となり、次いで20代未婚が48.5%、20代既婚が40.8%、50代既婚が34.1%で、孤独への不安や心配はヤングかシニアかは関係なく、未婚者の方が高いという結果となりました。
今回の調査では、老後をよりリアルに感じる50代と20代の差、孤独を感じやすいと考えられる未婚と既婚の差が如実に現れました。医療保険制度や年金制度といった社会システムや経済情勢は、今後も大きく変革すると考えられます。早め、早めに自分の生活や将来を見つめ直し、私たち一人ひとりが来るべき老後に備えることが重要なのかもしれません。(樹本睦美)
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