キャンパスは愛媛県まるごと、先生は県民全員!「いよココロザシ大学」って? (2016/11/2 nezas)
「いよココロザシ大学」は、愛媛県を拠点に「愛媛がまるごとキャンパス」「先生は愛媛に縁のある143万人以上の人たち」というコンセプトのもと、さまざまな立場や年齢を超えて愛媛県の産業などを学び合うコミュニティです。地域の人々が学び合う場、つながる場として広がりをみせています。
地方創生の新しい可能性を示す「いよココロザシ大学」について紹介します。
市民も企業も地域もみんなが元気になれる「いよココロザシ大学」
「いよココロザシ大学」とは、2011年に開校したNPO法人による市民大学で、「誰でも先生、誰でも生徒、どこでもキャンパス」を掲げる新しい学びのネットワークです。経験や技術、知識などを持つ県民みんなが「先生」、もしくは「生徒」になり、県内のどこでも授業ができるフットワークの軽さが強みです。現在の学生数は1,800人以上、県民先生の数も300人以上にのぼります。
定款には「この法人は、市民の誰もが先生、生徒になる「学びあい」の精神のもと、多様性と地域資源の価値を共有し、市民一人一人が「自分らしさ」を実感し、主体的に人や町とつながっていくしくみを作ることで、地域に根づく新しいコミュニティの創造と発展に寄与することを目的とする。」と記されています。
最大の魅力は年齢や国籍に関係なく、愛媛に関わる人なら誰でも自由に参加できるところです。授業料は基本的に無料で、春期、夏期、秋期、冬期の通常授業以外に課外授業、集中授業などの特別授業があります。教室は、愛媛の森やカフェ、駅、小学校など、県民にとって身近な場所です。これまでに行われた授業は500超となっています。
● 「MYじゃこ天」づくり
地元のかまぼこ会社が実施しました。愛媛を代表する水産加工品「じゃこ天」製造を見学し、その後、実際にじゃこ天を作る体験学習です。
● 愛南町で鯛づくし!
「養殖魚」を使った調理実習や漁協の見学など、1泊2日で普段では体験できない「南予の産業資源」を学びます。
● 真珠生産日本一の宇和島とニホンカワウソ
宇和島市で真珠の核入れとアクセサリーづくりを体験し、ニホンカワウソが捕獲された九島を散策する1泊2日の授業です。
愛媛の食に関することだけでなく、「閉店後の本屋さんナイトウォーカー」、親子で参加できる「こども映画塾」、「ロープ1本さえあったら」といったような自然をテーマにした授業も行われています。県民誰もが参加できる授業は、すべてオリジナルで内容も多種多彩です。ココロザシ大学の授業を通して企業の魅力を高め、市民に付加価値を提供することで企業もまた活性化し、地域経済にとってもいい循環となります。
稼ぐ事業へ、新展開の「愛顔の食卓」に期待
その「いよココロザシ大学」が、この夏に新しい事業をスタートしました。それが8月に松山市にオープンした愛媛県内の6次産業化商品を販売するショップ「愛顔(えがお)の食卓」です。6次産業化商品とは、地元で生産された農産物等を加工した商品のことで、ジュースやジャム、調味料など約150品以上を販売しています。
「いよココロザシ大学」の学長によると、「NPO法人でも毎日稼ぐ」を実現するため、「教室兼カフェ」や「旅行型体験授業」などの展開を経て、右往左往しながらたどり着いたのがこの「6次化産品ショップ」だとのことです。過去の事業から「少数、少量、季節性変動では商売になりにくい」ということを学びました。そして、期間限定のトライアルショップを行ったところ好評だったため、常設店をオープンすることとしたのです。今後は消費者と生産者が意見交換をできるイベントなども行い、商品開発のブラッシュアップにつなげていくとしています。
開店のニュースを知って近所の人が訪れたり、生産者から商品の取引相談が来たりするなど、早速広がりをみせてきています。単なる名産品ショップではなく、商品や情報、人などが行き交う「ハブ機能」を持った拠点になる可能性を提示しているのです。さらに、多くの地方やNPO法人が抱える課題を解決する事業としても期待されています。
提供:nezas
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