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【リアルな移住体験記】生まれ育った高知へ。「自分らしい人生」を生きられる地元に12年ぶりにUターン (2016/10/10 nezas)

関連ワード : 移住 高知 

シリーズ特集「リアルな移住体験記」では、移住を決めた理由や移住前の期待・不安、情報収集の方法、さらには移住後の想定外まで、地方移住者のあらゆる生の声をお届けします。

高知はりまや橋

男性:30代前半で高知県にUターン

いつかは帰りたい。そう思いつつも、Uターンに踏み切れなかった12年間

私は、高校までを高知県の香南市で過ごしました。

大学進学を機に四国を出て、岡山で一人暮らしをスタート。大学卒業後は地元には戻らず、山口県でIT関係の会社に就職。27歳で名古屋、29歳で大阪への転勤を経験しました。

地元を離れてから日本各地を点々としてきましたが、いつかは高知に戻りたいという気持ちは常にありました。転勤や出張続きの日々に疲れていたということもありましたし、激務で体調管理もしっかりできていなかったことも理由のひとつ。なにより、自分の人生をイメージしたときに「高知県」は切っても切り離せない存在だったんです。

実際に27歳のときには会社に辞職を申し出たこともありました。

しかし、社長や部長に何度も辞めないように説得を受け、その後5年間は会社に留まる結果に。社長には「帰りたいなら、そこで仕事を作れ。そしたら高知に転勤させてやる。」とチャンスもいただき、強く引き止めていただいたことも。高知での事業立ち上げは実現できなかったのですが、社長の気持ちに再び退職の話を切り出せずにいました。

結果的に私自身の優柔不断な性格もあり、地元を出てから12年間、就職してから9年間はUターンを先延ばしにしていました。

「高知家の唄」を聴いて号泣。地元に対する熱い想いを再認識した30歳

Uターンを本格的に考えるきっかけとなったのは、高知県が運営する「高知家」というサイトに出会ったこと。30歳のときでした。このサイトには「高知家の唄」が動画で掲載されているのですが、それを聴いたとき涙が止まらなくなってしまって。地元に戻りたい気持ちが一気に溢れてしまいました。

2012年に放送された「遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~」という、高知県にIターンをする青年が主人公のテレビドラマにも影響を受けました。

また、そろそろ親孝行をしなければいけないな、とも思っていたタイミングでもありました。

高知を離れている間もたまに電話をしたり、2年に一度は会社を休んで実家に帰ったりしていました。しかし、両親も60歳に近づき高齢になってきていることから、老いていく両親を少しでも近くで支えなければ、と思うように。

また私は長男だということ、大学に入学してから12年間も離れていたということで、もう少し親孝行をしっかりしないといけないと思っていました。

Uターンで高知に戻ろうと決意してからは、不安はありませんでした。

仕事は選ばなければあるし、家に帰ったら衣食住は保証されるから、と今考えれば少し甘い考えもありました。少子高齢化が進む高知県では、若い働き手のニーズは常にありましたし、自分が帰れば高知県のためになるんだという思いも。とにかく地元に帰ろう、と思っていました。

ちょうど決意する時期に会社が軌道にのりはじめ、私が抜けても事業に大きな穴が開かなくなってきましたので、このタイミングしかない! と思い会社を辞める決意をしました。

田舎は刺激が少ない。しかし親孝行も貯蓄もできる。身心も健康に

現在、私は高知県でダンボールに文字や絵などを入れ、配達をする仕事をしています。

こちらに戻ってきてしばらく経ちますが、デメリットとしては「刺激がない」ということ。

前職では毎週出張をしていたので、新幹線・飛行機などの交通機関を使って日常的に日本各地を駆け回っていました。しかし、現在は移動といえばルートで配達をするくらい。この生活を求めてUターンをしましたが、やはり少しつまらないな、と思うときもあります。

また独身の身としては、出会いが少ないのはツラい状況ではあります。

今働いている職場は40歳以上で既婚者ばかり。さらに12年ぶりの地元なので、正直友達もいません。実は出会いを求めて県主催の婚活イベントにも参加しているのですが、自分より年齢層が高い方が多く、交際には至らないことも多いです。

一方で、地元に戻ってきたメリットもたくさんあります。

まずは、健康になったこと。田舎は空気も水も、食材も美味しいです。規則正しい生活をすることで体重も基準値になり、ずっと悩まされていた胸の動悸もなくなりました。

また意外かもしれませんが、都会で一人暮らしをしていたときと同じくらいの貯蓄はできています。給料は減りましたが、実家暮らしということもあり出費が大きく減りました。

そしてなにより、親孝行もしっかりできています。生まれ育った土地でやっと「自分の人生」を生きられているという実感を得られていることが嬉しいです。

※個人の特定を避けるために内容を一部変更していることがあります。

提供:nezas

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