高齢化率(65歳以上/日本の総人口の割合)と将来推移の推計、介護保険と団塊の世代 (2016/8/20 介護健康福祉のお役立ち通信)
高齢化率(65歳以上/日本の総人口の割合)と将来の推計
少子高齢化という言葉を聞くようになり、数年経ちます。あっという間に高齢化率は2005年に20%を超え、2013年には25%を超えました。
日本の総人口も2010年頃に1億2806万人をピークに、現在も減少傾向が続いています。
2050年の日本の総人口は9700万人と推計が出ており、その時の高齢化率は40%近くになっている可能性があります。
団塊の世代(だんかいのせだい)が65歳以上になるのは2015年
1945年(昭和20年)9月2日に日本はポツダム宣言の降伏文書に署名して、第二次世界大戦は終結しました。
戦後70年、つまり当時生まれた方は70歳になっています。戦争中、戦後はなかなか婚姻ができず、その後、戦争が落ち着いて平和と復興に向けて婚姻が盛んになりました。
そして第一次ベビーブームを迎えます。1947年頃から出生率が急増しました。実は1949年までは原則産婦人科での中絶・避妊などが堕胎罪として禁止されていましたが、1949年に緩和されて経済的な理由でも中絶を容認するようになりました。
これらにより1950年からは出生率が低下していっています。
団塊の世代とは……1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれた世代。第一次ベビーブーム世代とも呼ばれます。
団塊ジュニアとは……1971年(昭和46年)~1974年(昭和49年)の第二次ベビーブームに生まれた世代。第一次ベビーブームで生まれた団塊の世代の子供にあたる世代を言います。
日本が経済大国になった推進力は、団塊の世代にあり!
世代人口が多い団塊の世代は、戦後の日本の復興と高度経済成長の中で、生産者としても消費者として大きな力となっていました。
車、マイホーム、家電などを手に入れることを当たり前に考えて、それらを供給するメーカーや企業が成長しました。
そして、戦前・戦時中の質素な生活様式から、大量生産大量消費時代へのパラダイムシフトしてきました。
2000年に老人福祉制度から、介護保険制度の創設へ
介護保険制度は、高齢者介護が深刻化する中で従来あった老人福祉法に基づく老人福祉制度を大きく見直し、社会保障構造改革に踏み出します。
介護保険制度ができる前は、高齢者介護については行政機関がサービスの必要性などを判断して、そのケースごとに行政処分で決定していました。
利用にあたっては、応能負担という形式をとっており、サービス利用のときには所得調査がありました。
また、現在のようにサービスを選択できるほどの状態でなく、市町村から委託された事業者のみが施設等を運営しており、競争原理も働かない魏業となっていました。
介護保険制度の誕生
2000年に高齢者介護問題は社会全体で取り組むこととして、社会保険方式として利用者本位のサービスが提供されることを狙い「介護保険制度」がスタートしました。
2000年には第1号被保険者(65歳以上の人すべて)は約3000万人います。介護保険スタートの時には約2200万人ほどでした。
要介護認定・要支援認定者は現在500万人以上います。
介護保険給付費用も急増
介護保険制度が開始された年、給付費は3兆2427億円でした。2012年の給付費は8兆1283億円です。
将来の高齢者介護問題はどうなっていくのか
世の中何が起きるかわからないので、天災や人災で人口は大きく減少するかもしれませんし、移民の受け入れや再生医療の急進などで生存期間が大幅に伸びるかもしれません。
高齢化は、出生率が上がらないと母数の面では解決しません。総人口に占める65歳以上の割合だからです。
出生率を上げるといっても具体的には非常に難しい状態にあります。
産みたくなるような政策は少しずつ出ていますが、個人化・核家族・女性の社会進出・低賃金などがライフスタイルになった現代人には婚姻そして出生というライフプランが経ちにく状況にあります。
このような中でも高齢者は増えます。できるだけ健康寿命を長く保ち、元気に生活するのが一番ですね!
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