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日本中が熱狂!ポケモンGO現象が残したもの (2016/8/10 JIJICO

関連ワード : ICT 科学技術 

ポケモンGOはなぜ外国から始まったのか?

7月初頭にニュージーランド、オーストラリア、アメリカで配信が開始されてから世界的に「ポケモンGO」の大ブームが起こっています。連日ニュース等でも取り上げられ、リリース前から日本でも話題性が高かったのですが、日本でもついに7月22日にリリースされ、同様のポケモン旋風が巻き起こっています。

「そもそもポケモンは日本のキャラクターなのになんで外国から始まったの?」とよく聞かれますが、それはこのゲームのベースとなる技術が米国ナイアンティック社(Googleの関連会社なんですよ!)というところから提供されているからです。それに人気キャラクターであるポケモンがコラボすることによって爆発的にヒットするものができあがったということです。

ポケモンGO

ポケモンGOとは実際どのようなゲーム?

普段あまりゲームなどをされない方のために改めて解説をすると、これはゲームの中でも「位置ゲーム」と呼ばれるジャンルに属するもので、スマートフォンが持つGPS機能で利用者の位置を測定し、それに応じて画面上のキャラクター(主人公)が動き回ることによって様々なポケモンを捕獲していく、というような仕組みです。言うなれば「電子的虫取り」のようなものでしょうか。そのため、最初にゲームを開始しても場所を移動しなければほとんどポケモンは捕獲できません。

さらに昨今開発が進んでいるAR(Augmented Reality;拡張現実)という技術によって、スマートフォンのカメラで撮影したその場の映像に捕獲しようとするポケモンが映り込むという仕掛けもあるので、ユーザーはまるで目の前の景色の中にポケモンがいて、実際にそれを捕まえているような錯覚に陥ります。今までになかったこのリアル感もこのゲームが爆発的に話題となった理由の一つと言えるでしょう。

ポケモンGOが歩きスマホを助長している側面も

さらにこのゲームでは実在している街の地図と連動して、そのところどころに「ポケストップ」と呼ばれる「名所」が設置されており、それらに寄りながら歩いていると冒険に必要なアイテムをもらえたりします。ただ、その性格上歩き回らないとゲームが進行しないので、必然的にスマートフォンを持ち歩くことになり、いわゆる「歩きスマホ」を助長するなど早くも問題となってきました。日本でも配信の直前に政府から異例の注意喚起が出たほどです。

画面を見ていなくても、近くにポケモンが現れると震動して知らせる機能はあるのですが、突然地図上に現れるので、どうしても画面を見ながら歩きがちになります。また、ポケモンがいる範囲は限られておらず、実際の街の範囲に及ぶので徒歩だと移動できる距離に限界があります。そのため自転車や、はたまた車・バイクなどでそれらを捕獲しようと試みる人もいるようで、配信開始からこの数週間の間に全国で逮捕者も出ています。筆者も先週車を運転中にスマホを片手に信号を無視して飛び出してくる自転車の人を数人見かけてとても危ない思いをしました。確かにゲームに夢中になるとそちらに集中して周りが見えなくなることがありますから、運転中の使用は論外としても、一般の道路での使用は双方が気をつけなければなりません。

ポケモンGOが切り開いた新しい体験型ゲーム

ポケモンGOは非常に急激に話題となり、その直後に「歩きスマホ」などの問題が広く報じられたので、我々以上の年代の方々に関しては正直批判的な意見がほとんどであることは承知しています。ただ、開発元の「家の外で、健康的に探索を楽しみ、人と人が交流を深められるようなゲーム体験を届ける」という目標にもあるように、このゲームは最新の技術によってもたらされた、今までにないタイプの「オリエンテーリング」であり、「虫取り」なのです。現に家に引きこもっていた人がこれをきっかけに外に出られるようになった、などの良い事例も存在しています。

位置情報やAR技術を使った仕組みの面白いところは、現実の世界とゲームの中の世界を簡単に融合できるところです。今後も違うゲームなどでさらに応用され、安全性など同様の議論が繰り返し交わされることでしょう。しかしながら、私個人としては「交通ルールや使用時間を守る」、「立入禁止場所や私有地に勝手に入らない」などの一般的なルールを守ればそんなに目くじらを立てるものでもないと思いますので、注意喚起をしながら、これらの新しい仕組みのよい面も同様に認めて、新技術と実生活の融合を見守っていきたいと思っています。

提供:JIJICO

著者プロフィール
目代 純平/ITコンサルティング、ITコンシェルジュ目代 純平/ITコンサルティング、ITコンシェルジュ
チェックフィールド株式会社
1999年に日本橋の老舗果物店・千疋屋総本店の「業務報告・商品発注システム」を当時まだ珍しかったLinux/Webベースで提案し、複数社のコンペの中で受注する。13年間で100社以上のWebデザイン/システムを設計・制作し、IT導入・運用管理における総合的なノウハウを身につける。2006年株式会社に組織変更し、プライバシーマークを取得。現在では、中小・中堅規模法人向けのIT導入・運用コンサルティング、運用管理代行を中心に約70社のIT環境を総合管理する傍ら、業務で得た知識や事例をもとに、各地で主に小中学生や保護者、先生方に対して「安全なケータイ・インターネットの使い方」をメインテーマに講演ならびにワークショップ活動を展開。 ■著書 1から出直すパソコンインストール(共著)(エーアイ出版;1998年) 子どものための『ケータイ』ルールブック(総合法令出版;2012年) 【経歴】 1976年10月28日生まれ。東京都出身。 商社勤務の父親の転勤に伴い台湾にて中学校3年間を過ごす。 帰国後、国際基督教大学(ICU)高校 卒業 1996年 中央大学 総合政策学部政策科学科(環境経済学専攻) 入学 大学在学中にホライズン・デジタル・エンタープライズ(現HDE)のメンバーと出会い、立ち上げに参画。NTTラーニングシステムズ フロント・マルチメディアリーダ研修講師などを経て、大手電機メーカーの学生インターンメンバーとして次世代加入者系無線アクセスシステム(Wireless Local Loop)の研究開発に携わる。米国テキサスとサンノゼにて実験と研究を行う。 1999年 帰国後、1999年7月 有限会社チェックフィールドを設立。 2000年 中央大学総合政策学部政策科学科 卒業 2006年 チェックフィールド株式会社へと組織変更
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