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生活保護受給者のパチンコは容認すべきなのか? (2016/6/7 JIJICO

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生活保護法において受給者の権利義務はどうなっているのか?

生活保護法には、受給者の権利について定めがあります。「不利益変更の禁止 ― 正当な理由がない限り、すでに決定された保護を不利益に変更されることはない(第56条)。」

また、受給者の義務についても定めがあります。「生活上の義務 ― 能力に応じて勤労に励んだり支出の節約を図るなどして、生活の維持・向上に努めなければならない(第60条)。」

端的に表現すれば、支出の節約をしなければならないが、正当な理由がない限り決定された生活保護を変更されることはないということです。

パチンコ

生活保護受給者数と生活保護費予算はどのくらいなのか?

生活保護受給者は216万人で、過去から増加傾向は続いています。アベノミクスが直接の原因かどうかは良くわかりませんが、中間層が消滅して国民は勝ち組か負け組のどちらかに振り分けられているように思います。
その結果、生活保護受給者数も増加しているのではないでしょうか。

さて、平成27年度の一般会計歳出総額は、96兆3420億円です。社会保障関係費が31兆5297億円、そのうち生活保護費は2兆9042億円を占めています。いうまでもないことですが、この2兆9042億円は税金で賄われているのです。

生活保護費を遊興費に充てることは合法なのか?

生活保護受給者がパチンコ店にいると、そのことを役所に通報する住民がいます。「働かずに生活保護を受給している身なのに、パチンコをして遊んでいるとは何事か!」という反感を買っているわけです。しかし、生活保護法には遊興費に使ってはいけないと書かれているわけではありません。つまり、法には違反していないが、生活保護制度の趣旨から判断して、遊興費に使ってしまうことが適切であるかというということです。

世論と法律とどちらが正しいのか?

最近、「合法ではあるが許せない!」という事象が社会問題化しています。

・パナマ文書で暴露されたタックスヘイブン利用者の租税回避
・枡添都知事の政治資金の個人費消及び公用車の個人的利用等

これらは合法であっても、世間が許さないのです。法律は人間が作ったものであり、必ずしも完璧なものではありません。もし抜け穴のようなものがあるのであれば、どんどん改正していく必要があります。

世間の理解が得られないような法律は何か間違っているのではないでしょうか。生活保護費を遊興費に充てるような受給者を本当に保護しなければならないのかという、極めて常識的な疑問の声を単に法律で禁止されていないという理由で黙らせることはできないと思います。

生活保護制度は、受給者のモラル向上が不可欠

生活保護費の不正受給については「通報義務」というものがあります。したがって生活保護受給者がパチンコ店に入り浸っているとして地域住民が市区町村の福祉事務所に通報することは、この通報義務の一環として行われていると考えられます。

「合法ではあるが許せない!」という状況を改善するために、このような通報義務は大変重要な役割を果たしますが、通報するだけでは問題は解決しません。

そのような行動をする受給者自身が変わる必要があります。福祉事務所やケースワーカーの方々の受給者に対するメンタル面の指導力を高める工夫が必要だと思います。
受給者の節度ある生活を営めるようにすることで制度の円滑な運用が可能になると思われます。

提供:JIJICO

著者プロフィール
田村 敏明/ThinkBuzanマインドマップ公認インストラクター田村 敏明/ThinkBuzanマインドマップ公認インストラクター
TLI-JAPAN
<学歴> 1985年 慶応義塾大学 経済学部 卒業 1993年 国税庁 税務大学校 国際租税セミナー特別コース 終了 1998年 Lubin School of Bisiness N.Y. (Accounting)中退 <マインドマップ歴> 2008年6月 マインドマップ基礎講座修了 2008年12月 マインドマップ上級講座修了  2009年 iMindMapコンテスト入賞 2012年11月 ThinkBuzan マインドマップ公認インストラクター(TLI)資格取得 2013年11月 ThinkBuzan メモリー(記憶法)公認インストラクター資格取得 2013年11月 ThinkBuzan スピードリーディング(読書法)公認インストラクター資格取得 <職歴> 国税局調査部国際調査課、(2年間 ニューヨーク駐在) 監査法人トーマツ、税理士法人トーマツ KPMG税理士法人で移転価格税務・国際税務を長年担当。 現在、BDO税理士法人 移転価格税制担当パートナー Think Buzanマインドマップ公認インストラクターとして、ビジネスパーソンを対象としたマインドマップ講座を東京及び名古屋で定期的に開催しております。 専門分野である移転価格税制については、税理士法人のパートナーとして、中堅企業の経営者、経理部長等向けに、セミナーを定期的に開催しております。 <著書> 移転価格税制ハンドブック 中央経済社 2011年12月 移転価格文書ガイドブック 中央経済社 2013年 7月
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