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女性の生理、男性の3割が「もっと知識を得たい」と回答―18歳意識調査 (2022/3/1 政治山)

 日本財団は、生理に起因する日常の不便や経済的な影響、男女それぞれの理解度など、「女性の生理」をテーマに44回目の18歳意識調査を実施しました。調査対象は全国の17~19歳の男女1000人で、2021年12月中旬にインターネットで行われました。

 生理について十分な知識があると感じている人は、女性で40.0%、男性で17.8%にとどまり、多くの若者が知識不足を感じている実態が明らかになりました。

生理に関する知識・理解

生理に関する知識・理解

 男女とも5割前後が生理に関する情報源として学校の授業と答え、授業の量・内容に満足している人は全体の3割以下に留まり、学校で教えてほしい内容として、生理に関連する医薬品(女性70.0%)や生理中の女性への配慮(男性56.0%)などが挙がりました。

 生理に起因する日常の不便としては、外出先での生理用品の不足や学校の授業や課外活動での欠席や早退などの他、教師ら指導的立場の大人に不調を伝えられない、不調を理解してもらえないなど、周囲の配慮や理解の不足による精神的負担も見受けられました。

日常の様々な不便・周囲の不理解

日常の様々な不便・周囲の不理解

 また、過去1年間に経済的な理由で生理用品が買えなかった、交換頻度を下げた、代替品を用いたなどの経験を持つ人は15.1%に上りました。生理用品を軽減税率の対象とすべき(女性71.6%)、公共トイレ等で無償配布すべき(女性63.4%)など、生理に起因する経済的な負担への不満も浮き彫りにされています。

生理の経済的・金銭的な影響

生理の経済的・金銭的な影響

 調査結果を受けて、日本財団の富永夏子氏は以下のように述べています。

「本調査では、学校や外出先での生理用品へのアクセスや、学校の先生や同級生に体調の変化を伝えられない場合など、女性が経験する日常の様々な不便が浮き彫りになった。経済的な理由で生理用品の交換頻度を下げる等の経験をしている女性の存在も見逃せない。

 なお、女性を対象とする生理に関するアンケート調査は多く先例があるが、本調査では男性に対しても多くの項目で女性と共通の質問を尋ねた。結果として、女性だけでなく、男性も生理に関する自身の知識不足を感じており、主要な情報源である学校の授業への満足度は低い。生理に起因する身体的・精神的・経済的な負担に対する社会の理解を醸成する上で、まずは若者らが正しい知識を得られる機会の提供が不可欠である」

生理に関する学校の授業への満足度

生理に関する学校の授業への満足度

■調査概要
調査対象:全国の17~19歳男女、1000人
調査除外:印刷業・出版業/マスコミ・メディア関連/情報提供サービス・調査業/広告業
実施期間:2021年12月10日(金)~12月15日(水)
調査手法:インターネット調査
調査結果の詳細は、「第44回18歳意識調査 テーマ:女性の生理 調査報告書」をご覧ください。

■18歳意識調査とは
選挙権年齢に続き、民法の改正に伴い2022年4月には成人年齢も18歳に変わります。そこで日本財団では、18歳の若者が何を考え、何を思っているのか、継続して調べる意識調査を2018年10月からスタートさせました。次代を担う18歳の意識を幅広く知り、社会づくりに役立てたいと考えています。過去の調査結果など、18歳意識調査の詳細は以下をご参照ください。
「18歳意識調査」のプロジェクトページ

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