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未来自治体全国大会2018―「30年後、最も住みたい街」をネット投票で決定! (2018/5/2 政治山)

関連ワード : イベント ネット投票 投票率 

 若年投票率の向上を目指すNPO法人ドットジェイピーが18歳~30歳の若者200人に行ったアンケートで「選挙に興味がない」「投票に行かない」と回答した人の理由を調査したところ、投票に行かない理由として「不便な投票の仕組み」が83%と最も高く、若年層の投票率向上の課題となっていることがわかった。

 これを受けて3月17日にドットジェイピーが東京都新宿区で開催した「未来自治体全国大会2018」のWEB予選と決勝大会において、スマートフォンからどこでも簡単に投票できるインターネット投票を株式会社VOTE FORの協力のもと実施した。

若者が描く30年後の未来とは

 ドットジェイピー未来事業部では「未来国会」「未来自治体」という2つの若年層向け政策コンテストを開催し、30年後の国や自治体の構想や予算をアウトプットする場を提供している。

 未来自治体はこれまで宮城県仙台市、神奈川県鎌倉市、同県茅ヶ崎市、三重県松阪市、奈良県奈良市、千葉県流山市、富山県氷見市などで開催している。2015年に地域の若者の声を届けるため、日本初の全国横断まちづくりコンテストとして「未来自治体全国大会」を開催して以来、今年で4回目を迎える。

未来自治体 全国大会2018

 2018年1月13日(土)~3月17日(土)の大会会期中には118チームがエントリーし、延べ326人が参加した。全国10ブロックの地域予選(1次予選)を勝ち抜いた13チームから、インターネット投票によるWEB予選(2次予選)で得票数の多い上位4チームが決勝の舞台に進出した。

ネットで投票数が例年の8倍へ

 WEB予選の投票数は昨年の1071票に対して今年は8492票と約8倍に増加したという。当コンテストの学生運営代表を務めた大川真司氏によると、今年からネット投票を選考プロセスに導入したことで「利便性によって皆さんが投票を身近に感じ、これまでより多くの人から投票してもらえたようだ」とコメントしている。

 3月17日の未来自治体全国大会決勝には全国各地の予選とWEB予選を勝ち進んだ4チームによるプレゼンテーションが行われた。それぞれのチームの概要は以下の通り。

未来自治体全国大会決勝大会の会場

未来自治体全国大会決勝大会の会場

えねーちけー松阪放送局/三重県松阪市
松阪牛で有名な三重県松阪市。減り続ける人口、増える駅前シャッター街、少子高齢化のため、30年後消滅している可能性が浮かび上がってきた。そんな未来を変えるべく打ち立てられた「世界最強都市松阪プロジェクト」。松阪の全盛期を築き上げた豪商を再び「子どものまち」で育成・輩出し、駅前商店街に革命を起こすという。このプロジェクトは、松阪を後世に残すことができるのか?
おひとよし委員会/熊本県人吉市
―2047年日本― 出産について、どう考えますか? 社会人になったら、仕事や趣味など、まず自分自身のことに集中したい。でも、いずれは「子供が欲しい」という夢がある。時間とお金さえあれば、その夢が一度に叶います。その夢を叶えるのが「田舎留学」子供を「田舎留学」させると、親は自由な時間とお金を作れる。子供は、人吉に留学と称し、国内で異文化に触れさせ留学によって、自身をブランド化する。一度体験させてみませんか。
チームコータロー/東京都世田谷区
30年後、AIの仕事の49%がAIにとってかわられます。AIに嫌悪感や恐怖感を抱いてしまうかもしれません。また、現在、新入社員の退職率は約30%、やめたいと思っている人は約50%です。辞めたいという人の大半の理由は仕事ができないから、というデータが出ています。僕たちのビジョンを達成すればAIと共存し、自ら進んで状況を作り出し、楽しく仕事ができる人たちがたくさん生まれます。
兵庫県西宮市フォレスト/兵庫県西宮市
私たちは機械化の風潮の中あえて自然の力に着目し、住宅街の土地を有効活用することにより市内全域に緑の溢れる森林都市を実現します。私たちは西宮に従来の都市としての機能に加え、空気がきれいで子どもが遊び、高齢者が語り合い、大人がリラックス出来る、という新たな価値を創立します。それにより30年後の西宮は科学技術のみでは得ることのできない快適さ、活気を併せ持つ日本一ひとと森林の調和のとれたまちを確立します。

 プレゼンテーション後、出場チームとゲストの鈴木隼人 衆議院議員(自由民主党)、長妻昭 衆議院議員(立憲民主党)、与良正男 毎日新聞専門編集委員)、パックンマックン(タレント)らによる、パネルディスカッションが行われた。

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

若年層の93%がネットなら投票すると回答

 優勝チームを決定するネット投票では来場した参加者1人につき1つのシリアルコードを発行する本人認証の機能が実施された。投票から集計はリアルタイムで行われており、開票作業は2秒で完了した。投票の結果、えねーちけー松阪放送局/三重県松阪市のプランが全国118チームの中から「30年後、日本一住みたいまち」に選ばれた。

表彰式の様子

表彰式の様子

 イベント終了後にドットジェイピーが参加者に対して行ったアンケートで「実際の選挙も今回の「ネット投票」のような内容・形式であれば投票しますか?」との質問に対して「投票する、おそらくする」の回答を合わせて97.3%が投票すると回答しており、ネット投票が若年層の投票率を向上するというドットジェイピーの仮説を裏付ける結果となった。

未来自治体アンケート結果グラフ

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