参議院議員選挙2016
参院選と都知事選、掲示板わざわざ差し替える? (2016/7/8 政治山)
7月10日投票の参院選も最終コーナーを回りましたが、東京都ではその4日後の14日には都知事選が告示(31日投票)されます。街中のポスター掲示板は同じものを使うのでしょうか?
「骨組みだけ残し、板面だけ替える」
東京都選挙管理委員会によると、都内62の区市町村の選管に対応は委ねられるそうですが、「多くの掲示場では骨組みをそのままにして、板面だけ替えるのでは」とのことです。
事前審査で候補者数が絞られるとみられますが、現状では30人枠を用意する予定。現在、参院選の東京都選挙区で33枠の板面が設置されており(候補者は31人)、板面もそのまま流用すれば余計な経費もかからないように思います。
しかし、参院選候補者のポスターを剥がす際に「板面は特殊なビニール加工が施されているので、数字ごと剥がれてしまう恐れがある」とのことで、混乱しないように最低限、板面だけは差し替えなければいけないようです。
「徹夜作業になる業者もあるのでは」
多くの市区町村では業者との随意契約で3日以内の設置を注文するので、各業者の対応次第のエリアも多そうです。都内1万4163カ所の掲示場張り替え作業は「板面の製作も含めて徹夜作業になる業者もあるのでは」とのことです。
今回の都知事選は特急料金での業者発注になるなどのコスト増から50億円程度の選挙費用になると思われます。うち都選管で用意する投票用紙や投票所入場券などを除いて、8~9割が市区町村の経費に充てられます。
選挙の度に膨大なコスト…デジタルサイネージで代用できないか
投票所での人件費や賃貸費のほか、掲示場の設置に使われる費用もかなりの経費に上るとみられることから、「小学校や公民館など、公共施設の掲示場は屋外用のデジタルサイネージを設置した方がいい」という声もネット上にはあります。
初期費用こそかさみますが、画像データのやりとりだけで有権者に情報を届けることができれば、候補者のポスター作成や貼付作業も減ります。選挙運動費用を公費で負担する選挙公営も減るので、長期的にかなりコストカットできるのではないかという考え方です。
都選管に質すと、「そういった意見は初めて聞いた。これまで検討したこともない」とのこと。ポスター掲示板は終われば廃棄するだけです。不公平の無いように表示の一覧性や並び順、サイズなどの検討課題はありますが、技術の進化に合わせた選挙のあり方を、政治も行政も追求する必要があるのではないでしょうか。
- <著者> 上村 吉弘(うえむら よしひろ)
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター
1972年生まれ。読売新聞記者、国会議員公設秘書の経験を活かし、永田町の実態を伝えるとともに、政治への関心を高める活動を行っている。
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