都知事選をするなら同日選が安上がり? (2016/5/30 政治山)
もし、舛添要一東京都知事が辞任して知事選を行うのであれば「7月10日投開票とみられる参院選と同日に行えば安上がりだ」との意見が出ています。同日選になると、選挙に要する経費は安くなるのでしょうか。
前回都知事選の経費は46億円余
東京都選挙管理委員会によると、前回行われた2014年2月の都知事選では46億1394万円の経費がかかりました。これを軸に、直近3回の都知事選から、選挙費用の基準を見ていきたいと思います。
2012年の衆院選との同日選では前回より約8億円安く
前々回、2012年12月に行われた都知事選は、石原慎太郎知事(当時)が猪瀬直樹副知事を後継指名して衆院選に出馬したため、衆院選と同日に実施されました。国政選挙と都知事選の同日選は憲政史上初の試みとなりました。同日選により、投開票所や人件費などの重複分を省くことで、都知事選に要した経費は38億4637万円に抑えることができました。
さらにその前に行われた2011年4月の都知事選は統一地方選のタイミングでした。都内では都議補選と重なっただけでしたが、経費は42億1360万円でした。
急な選挙は印刷費・会場費などが割高に
都選管によると、猪瀬前知事が辞任した2014年の選挙では、急な準備のために余計な経費がかかったそうです。2012年も同様に突然の選挙とはなりましたが、衆議院との同日選だった分、2014年より約8億円安くなったようです。
選挙が通常日程で行われる場合、入札などで競争原理が働きますが、突然の選挙となった場合、印刷費や会場費の相対価格が上がり、コストに反映されるとのことです。
参院選との同日選なら8億円前後安くなる?
とはいえ、劇的に下がらないのは、ポスター掲示や選挙公報など、同日選になってもそれぞれに準備しなければいけないものも多く、仮に参院選との同日選になった場合でも、2012年12月の38億4637円と大きな違いはないとみられます。
- <著者> 上村 吉弘(うえむら よしひろ)
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター
1972年生まれ。読売新聞記者、国会議員公設秘書の経験を活かし、永田町の実態を伝えるとともに、政治への関心を高める活動を行っている。
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