国による包摂的な就労支援の実現に向け、党派を超えた議員連盟が発足 (2025/11/28 政治山)

議員連盟発足式の様子
日本財団は、2018年より推進してきた「WORK! DIVERSITY」プロジェクトの成果をもとに、障害や疾病、環境などにより働きづらさを抱える人々への包摂的な支援策を提言してきました。こうした長年の活動を契機とし、この度、国会において多様な就労困難者の支援を促進する超党派の議員連盟が正式に発足しました。
「WORK! DIVERSITY」は、“わが国が持続可能な社会として発展し続けること”を目的とした日本財団のプロジェクトで、財団が過去に行った調査では、障害者、ニート・ひきこもり、難病患者、刑務所出所者など様々な理由によって「働きづらさ」を抱える方々のうち、適切な支援や環境整備があれば就労が可能となる方が約270万人いると推計されています。こうした方々の活躍は、地域創生の観点からも重要な意味を持っており、働き手不足が深刻化する中、適切な支援による就労者の拡大は、税収の増加をもたらすとともにその人たちの自立支援にも繋がります。
11月12日の超党派包摂的就労(ワーク・ダイバーシティ)促進議員連盟の発足式では、2022年度から実施しているWORK! DIVERSITYモデル事業の検証結果について、日本財団公益事業部より説明が行われ、参加した議員らからは多くの意見が寄せられ、議論が交わされました。

左から、日本財団公益事業部シニアオフィサー 竹村利道氏、一般社団法人ダイバーシティ就労支援機構 酒光一章氏、衆議院議員 野田聖子氏、日本財団会長 尾形武寿氏
■登壇者コメント
・呼びかけ人代表:衆議院議員 野田聖子氏
「労働力不足が深刻化する一方、働きたい思いがあるけれど、さまざまな理由で働きづらさを抱えている人たちがいる。障害者就労は国の予算があるが、手帳を持っていない層、引きこもりやニート、刑務所から出所した人たちへの支援はまだまだである。もっと幅広い、包摂的な就労支援が必要だ。
そういった『新しい就労の在り方』を考えようと、有志による勉強会が3月にスタートした。『すべての就労困難者に届く就労支援』として2025骨太方針にも明記された。本日の超党派議連の立ち上げを迎え、私はこれを『はたらきたい革命』と名付け、多くの方々に届く就労支援の形に変えていければと願っている」
・日本財団会長 尾形武寿氏
「障害者を取り巻く現状には、様々な課題がある。日本財団は10年以上前から、障害者の就労支援について協議を重ね、就労支援の在り方について仕事をしてきた。過去を振り返ってみても、働く場所を作ってもうまくいかないことが多く、ここ数年でようやく国立国会図書館のデジタル化事業を障害者就労施設で任せてもらえるようになった。就労する機会は多くの人々の自己肯定感を向上させるものであると思っている。事業のためではなくて、日本社会として障害者や生きづらさを抱えている方々の人生をどう考えていくのか。自分たちで、その人たちが歩けるような社会構造をつくっていただけることを切に願いたい」
■日本財団 担当者コメント
今回の発表を受けて、日本財団 公益事業部WORK!DIVERSITY担当の竹村利道氏は以下のように述べています。
「議員連盟の発足は、わが国の包摂的な就労支援実現に向けた第一歩です。障害の有無に関わらず、働きづらさを抱える方々が、適切な支援と環境整備によって就労機会が得られることを強く期待します。
日本財団は、本取組を進めるべく、今後も『就労支援フォーラムNIPPON』等を通じて、その意義と課題を広く社会に伝えるとともに、各地域における強力な実践者育成プログラム『ダイバーシティ就労支援実践研修』を実施するなど、構想を画餅とすることがないよう、その実現可能性を最大限高めてまいります」
■日本財団関連リンク(外部サイトに遷移します)
・WORK! DIVERSITYプロジェクト
https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/work_diversity
・就労支援フォーラムNIPPON 2025
https://hataraku-nippon.jp/forum-2025/
・2025年度ダイバーシティ就労支援実践研修のご案内
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/information/2025/20250925-115856.html
■お問い合わせ
日本財団 公益事業部 WORK! DIVERSITY担当
メールアドレス:wd@ps.nippon-foundation.or.jp
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