[東京都港区]障害者の排泄予測支援機器購入費を給付 (2025/3/6 株式会社ぎょうせい)
東京都港区(26万1600人)は、障害者(児)日常生活用具給付事業として、新たに排泄予測支援機器を給付対象に加えた。利用者の下腹部に専用シートを装着すると膀胱内の状態を感知し、排尿のタイミングを把握して本人または介護者に通知する機器で、在宅の障害者(児)が安心して日常生活を送れるようにするのが目的。対象となるのは、学齢児以上の身体障害者手帳を所持する下肢・体幹・肢体不自由の障害1〜3級程度と膀胱機能障害、学齢児以上の最重度または重度の知的障害者(児)など。9万9000円を上限に排泄予測支援機器本体価格の9割(生活保護・住民税非課税世帯は10割)を給付する。また、機器使用で必要となるシートなど消耗品に対して2か月分で3080円を給付する。5件分の予算を計上し、それ以上の申請があった場合は追加の財源措置を考えていく。
排泄予測支援機器は2022年から特定福祉用具として介護保険で利用可能だが、障害者(児)の日常生活用具への追加を求める陳情が2023年6月に区議会に提出されるなどしていた。日常生活用具給付事業に排泄予測支援機器を含めたのは全国初とみられ、同機器によって自立排泄が促され、障害者(児)の尊厳を守るとともに、介助者の負担軽減やおむつの使用枚数削減などにつながると効果が期待されている。
また区は、障害者(児)日常生活用具給付事業として、ストーマ装具の給付に関する基準額の上限を引き上げるとともに、電動機器による痰の吸引など医療的ケアが必要な人向けの災害用バッテリーを新たに給付対象とした。物価高騰によりストーマ装具代が上昇していることから上限を泌尿器系で月1万5000円、消化器系で月1万3000円に引き上げ、災害用バッテリーは災害時等の停電でも安心して過ごせるように10万円を上限に給付していく。
(月刊「ガバナンス」2024年8月号・DATA BANK 2024)
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