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NYの視点:2018年のトランプ米政権のアジェンダ達成困難に  株式会社フィスコ 2017年12月14日

関連ワード : アメリカ 選挙 

共和党が過去20年にわたり台頭してきた保守的な米アラバマ州の上院補欠選挙で、民主党候補がサプライズで勝利した。これにより、上院の議席数は共和51対民主49となる。敗北したムーア氏を、バノン前大統領側近とともに、トランプ大統領も最終的に正式支持に回った。トランプ大統領支持の候補が敗れ、2018年の中間選挙で民主党が再び躍進するとの見方も浮上。今後、トランプ政権が進める計画のインフラ、移民法、ヘルスケアなどといった2018年のアジェンダ達成にも影響がでる可能性が懸念される。

ただ、アラバマの新上院議員が就任するのは来年1月以降となるため、年内の税制改革の成立に大きな支障はないと見られている。しかし、2018年のアジェンダの遂行が一層難航することを考慮した場合、中間選挙も睨み、税制改革を年内に成立させることが共和党にとり不可欠となる。共和党上下院は13日に税制改革案で大筋合意。来週、18日、19日にも採決を目指している。

新たな税制改革案で、当初の案と変更された点は以下の通り。法人税率は現行の35%から21%まで引き下げられる予定。当初据え置きと見られていた富裕層向け最高税率は37%と、39.6%から引き下げられるという。これは、州・地方税控除が撤廃されることへの考慮だと説明されている。また、住宅ローン控除の上限は75万ドルと、現行100万ドルから引き下げられる見通し。上下院案では上限が分かれていた。最終的に合意された詳細は15日にも発表されるという。政府は拡大する歳出は、経済が今後、成長加速することで支払いが可能になるとしている。トランプ米大統領は、4%成長も可能だと強気の見方を示した。

*新共和党税制改革案(当初案からの現状での変更点)

法人税:21%(現行35%)
個人向け最高税率:37%(現行39.6%)
住宅ローン控除の上限:75万ドル(現行100万ドル)

<CS>

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